鼻の奥がカユクなるバツイチへの道
第2章 スキーへ行こう!
第1話 え? 二人で?
グループ展もなかなかの盛況の中、無事に千秋楽を迎えた
基本的にヒマ学生だった僕は期間中ずっと受付を始めとする雑用に駆り出され
いつのまにかグループに溶け込んでいった
同じく学生であったK子とも何度か受付で一緒に座るうちに
自然に会話を交わすようになった
一つ年上の彼氏がいて、すでに社会人であること
親と同居していて父は工務店勤務、母は美容院を経営していること
父と母が近頃不仲になりつつあること・・・
そんなある日のこと
「ねぇねぇ日帰りでスキーに行く話があるけど、3太郎さんも来る?」
「え、だれと? いくの?」
「あたしと、○○ちゃんとでいくねんけどよかったら・・・?」
幸いにしてあいてる日、というか、ほとんど予定のない日が続いていた
「よし、じゃ3人でぱぁ〜っと行きますか?」
なんとなくうきうきしながら日を過ごす
女の子たちと遊びに行くのも久しぶりなんだから仕方ない
その日は待ち遠しかったものの、さまざまな空想で楽しい毎日を過ごしていた
○○ちゃんも可愛いしなー仲良くなれたらなー彼氏はいるんかなー・・・
さあ、ついに当日!
用意万端整えて待ち合わせの駅までスキップで向かう
待ち合わせは夜8時。K子は車でやってくるはずだ
運転は折半で夜通しかけてスキー場に朝一番に到着の予定だ
「お待たせー」
車から降りてきたK子
・・・あれ? 一人?
「そうやねん、○○ちゃん、急に熱出してアカンようになったみたい」
そ、そそそれは残念だ・・・ガックリ
「まあ、準備もできてるし日帰りやし、二人で行こうよ、誤解せんとってね
あたしはスキーに行きたいだけ!」
はいはいはいはい・・・わかりました、こうなったらヤケクソデス
スキーにでもどこにでも行きましょう!
かくして、僕とK子の二人きりのスキー道中が始まった
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