足の指の間が痒くなる日記

2001年12月9日(日) 「落し物」

本日は突発的事故発生のため本日予定されていた「大阪ことば学」は明日分に廻させていただきます
楽しみにしていただいてた方、ごめんなさい、と臆面もなく言ってみる

さて。

鍵を落としました

自動車と自宅マンションと、自転車の鍵を束ねていたキーホルダーが

いつの間にかポケットの中にありません

落としたと思われる場所は職場である、山のなか

もうとっぷり日も暮れてます

懐中電灯もって応援部隊とともに山狩りを敢行しましたが、見つかりません

親切な先輩が「家まで送ったるで」って言ってくれましたが

その家に入れないのにどうしろとおっしゃるんですかぁっ!

合鍵があれば…そうだ!合鍵!

合鍵を預けてる人がいます。彼女です!

1時間ほど前にメールが来ました。まだ移動中かもしれません

早速携帯に電話を…3回、5回、10回、15回…応答なし

寝てます。絶対寝てます。まだ18:30なのに、家に帰って寝てるに決まってます
事実そうだったことが後で判明

万事休すか…いや。待てよ…もう一人合鍵の持ち主が…

早速電話します…ちぃっ!留守電か…仕方なくメッセージを吹き込む

「すいませーん。僕ですー。ご無沙汰してますー。鍵を落としましたぁー。また電話しますー」

どうしよう。彼女の携帯ではなく、自宅の番号に電話するか…

そこへメールが入った!彼女からか?

…出会い系かよっ!こんなときに!

…しかもタイトルが「(はぁと)見つかった?」って舐めとんのかぁっっ!!

気を取り直して、電話帳を検索していると、着信が!

「あ、もしもし?久しぶり。メッセージ聞いたよ。大変やね

「ごめんな。忙しいのに。まだ鍵持ってる?」

「うん、あるよ、でも、いま梅田だからあと、2時間くらいかかる。かまわない?」

「わかった。コッチも2時間後にソッチにつくようにします。お手数かけてごめんね」

「ううん。こっちこそ。ちょうど返すいい機会だし」

そうです。ここまでの会話でお判りでしょう

「合鍵その2」の持ち主は「前の嫁はん」です
実はまだ前嫁の嫁入り道具のタンスやら鏡台やらが残っていて
今の彼女からの早急な撤去要請が出ていたのですが
諸般の事情により撤去は実現せずじまい…
前の嫁はんには撤去するまで、と言う条件で鍵を預けてはいたのですが…



先の親切な先輩の車で未だ前の嫁はんの住む大阪北部の高槻市まで送っていただきます

本来なら家に上がっていただいて、少なくともお茶でも飲んでいただくところですが…

それすらもできません…先輩、ありがとう!すいません!


さて、待ち合わせまで時間をつぶそうと、

昔前嫁と飲んだ後よく行った喫茶店「ケニヤ」へ自然に足が向かいます

しかし…「駅前再開発のため閉店いたしました。長らくのご愛顧…」の張り紙

…なんともやりきれない思いで別の喫茶店に入り前嫁の来るのを待ちます

20分ほどの間、約3年ぶりの対面に向け

様々な思い出と、今日会ってどう話をするか…頭の中でぐるぐると時が回ります

そこへ再びメールが…また出会い系か?…やっぱりそうか…

…しかしタイトルが「あるよ(いろんな出会いが)」ってもう勘弁してくれぇっ!

そこへ自宅から鍵を取って来てくれた前嫁の車が到着しました

助手席に乗ってるのは、前義妹…その膝には…赤ん坊?え?

「おひさしぶり〜。元気やった?」

そう言う前嫁はまったく3年前と変わってません。少しやせたかな?

しかし、あの赤ん坊は…?

「あ、妹の子ども!」

「へ、へぇ?いつ結婚したん?知らんかったなぁ」

なぜか、ホッとする自分に少し戸惑いを覚えます

少しだけ話して、鍵を受け取り、タンス引取りなどの軽い打ち合わせも済ませ、帰ろうとすると

「あ、ちょっと待って」

なんだろう、とトランクに回った前嫁について後ろに回ります

「はい、これもって帰って」

リンゴを紙袋にいっぱい頂きました。赤いリンゴで暖かい気分になりました

「じゃ、また連絡するね」

「ああ、頼むわ。今日はありがとう。助かったよ」

「こっちこそ、長いこと持ったままで…ごめんねぇ」

前嫁たちの乗った車を一人見送ります

3年前と何も変わっていないようで、人は大きく変わっていきます


今から3年後。

僕らはどうなってるんだろうね…心の中で二人の女性に話しかけています

一人には隣から。もう一人には遠い後姿に…

…なんだか今日は、無性に彼女に逢いたくなりました

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手土産の リンゴの重さ 後ろ髪

振り返るまい、振り返るまじ   3太郎

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