足の指の間が痒くなる心意気
2004年1月10日(土)「妊婦さん、人混みを往く」 |
臨月の妻・わんこといっしょに西宮えびすへ。 七福神の一柱にして商売繁盛に御利益あらたかな神・恵比寿様(えべっさん)に、関西では年に一度の大祭である1月10日を中心として、その前後3日に特にお参りする風習があります。9日を「宵えびす」、10日を「本えびす」、11日を「残りえびす」、と言いましてあちこちのえびす社は参詣人でごった返します。で、9日の「宵えびす」にわんこと出掛けたわけですが。 さあ、まあ、なんともえらい人混みです。狭い参道に露店や屋台がギッチリと出揃ったところへこの参詣人の数ですから、そらもうえらいことです。→ちなみに去年のえべっさんレポ。 妊婦と共に人混みを歩くのは、なかなかに難しゅうございます。ちょうど頭がわんこのお腹あたりの高さになる小さなガキどもが、前も見んと突っ込んで来よりますし、妊婦とは気づかずに強引に割り込み押しのけ、自分が一歩でも先に行こうとするオバハンとか、酔っぱらいのオッサンとかからわんこのお腹を守らなければなりません。守りつつも露店の美味そうな匂いにも油断はできませんから、なかなかに忙しいのであります。 こう言うとき、はぐれないようにとよく手をつないだりするのですが、この人混みではとてもそれでは歩くことができません。ボクが先に立ち、わんことそのお腹をできるだけガードしつつ、いい匂いをさせてる露店にもしっかりと目を配りつつ、えべっさんを目指します。しかしわんこは身重。その足取りはとても軽く、と言うわけにも参りません。 アッチの露店、コッチの屋台とのぞきながら食いながらじわじわと目指すえべっさん。やっと鳥居が見え、ちょっとホッとしたそのとき! 前から子どもが一人、よそ見しながらわんこの方へまっすぐに突進してきます……! アブナイ! 思わずわんこのお腹の前に手を出します。子どもの頭を手で受け止めた……までは良かったモノの、反動でわんこのお腹へ手の甲が直撃してしまいました! しまった! と思うと同時に、気抜けするほどに柔らかな弾力が「ポヨ〜ン」と手の甲に伝わってきました。ハッとしてわんこを振り返ると、けろりとした顔をして今まさにぺろりとイカの姿焼きを食べ尽くす瞬間でありました。 んーっ、と。ま、そんなに気を遣わなくても良かったみたいでした。なにしろ「ポヨ〜ン」でしたから。案外丈夫なモノなんですね。人混みくらい、どっちゅうことないのでした。母は強し。されど腹も強し、なのでありました。 |