足の指の間が痒くなる心意気

2003年1月14日(火)「ハルノート」

 現在の北朝鮮またはイラクをとりまく世界情勢、ことにアメリカとの関係は、太平洋戦争開戦前夜の我が国とアメリカの関係と、実は驚くほど酷似しているのをご存じか?

 昭和12(1937)年から始まった日中戦争は、昭和16(1941)年に至っても泥沼の様相を呈していた。この戦争に関する評価は様々なので、敢えてここで触れることは避けたい。ただ、当時の日本と世界の情勢を考えると、決して「侵略」と言う側面だけで捉えることは出来ないことは確かである。

 中国における権益を日本の手から取り戻したい、という思惑を持っていた連合諸国(米、英、仏、蘭)は日本に対して徹底的な経済封鎖を行う。それに対抗して日本は日独伊三国同盟(1940)を締結、一挙に高まる緊張。が、それ以降も陰に陽に様々な戦争回避のための外交交渉が行われた。結果的にそれはアメリカの対日戦争準備のための時間稼ぎであったことが現在では明らかになっているが。

 そして昭和16(1941)年11月26日、アメリカからの最後通牒「ハル・ノート」が入電。その主な内容は以下のようなものであった。

1.満州国を含む支那大陸、及び仏印(インドシナ:東南アジア)から軍隊、警察の全面撤退
2.大陸に於ける総ての権益の放棄
3.三国同盟の廃棄

 この要求をのめば、日本からありとあらゆる物資はなくなり、当時の国民生活に大打撃を与えることは避けれらないものだった。また国民感情もそれを許す状態ではなかった。現在では信じられないことであるが、アメリカはじめ欧米諸国の国力に対する国民一般の理解と認識が白痴的に不足していた。つまり「アメリカと戦争しても勝てる」という認識が一般的でさえあったのだ。

 後の東京裁判でインドのパール判事が「このような苛酷な要求を突きつけられたならば、どんな小国といえども銃をとって欧米に対し立ち上がるだろう」と言ったことは、残念ながら意外と知られていない。これが事実上の宣戦布告であったにもかかわらず。

 現在に振り返ってみれば北朝鮮、イラクの両独裁政権に対してのアメリカの政策はどうか? 経済封鎖、受け入れがたい要求の強要、そしてイラク/北朝鮮/アメリカそれぞれ国民感情。全ての要素は整ってしまっている。何もかも昭和16年12月当時の日本の状況と同じ。そして戦争したがっているのは、アメリカだ、と言う点でも。イラクもアメリカも北朝鮮も「自ら招いた危機=セルフクライシス」に陥ってしまっている。

 さあ、日本はどうするべきか。今こそあの戦争で得た反省を生かすべき時が来ているではないか。

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