足の指の間が痒くなる心意気

2002年11月26日(火)「紅葉狩りに行く」

「人混みを見に行くようなモンやで、やめよ、な、な」
「紅葉見たいの!」
「そんなん疲れるだけやって」
「じゃ、せっかくのお休みどうするの?」
「競馬場、だめ?」
「え〜っ」
「じゃ、家で引きこもる…」
「…さ、行くよ。早く支度しぃ」
わんこに引きずられて先日の休みに名残の紅葉を求めて京都東山へ。阪急電車で四条河原町を降りるとそこはもう、祇園である。

 ちょうど昼時、腹減った。せっかく京都へ来たんだ、名物「にしんそば」を食おう、と顔見世興業のまねきを上げられるのを待つ南座の隣、「松葉」へ。


鮭ごはんとにしんそば

 ニシンが甘辛く煮付けてあり、実におそばと合う。わんこはせっかくなのにうどんを注文。ソバ屋に来てうどんを頼むだなんて。案の定にしんそばは注文してからあっという間に出てきたのに、わんこのうどんは待てど暮らせど出てこない。おまけにどんどん店は混む。店員もてんてこ舞いだ。

「これはきっとそば屋の嫌がらせやね」
「じゃ、なんでメニューに載せとくんよぉ」
「そこはそれ」
「京都やから?」
「そう、京都人特有のアイロニーやで」

 味とその独特の人情とでいきなり京都情緒を満喫させてくれたその後は、いざ清水寺へ。二寧坂も産寧坂もものすごい人、人、人。狭い坂道が上る人下る人で夏場の海水浴場並みにごった返している。

 ココでこけると「三年後に死ぬ」と言われる産寧坂(三年坂)。もちろん10回コケたら30年後、20回なら60年後という話もあるが、そんなにコケたらきっとソレまでに大けがをする。清水寺の門前に着いたときはもうスッカリくたくた。参拝券を買って入り口に並ぶ。

我々の前に並んでいたカップルとモギリのオッチャンとの会話。
「参拝券買うてへんの?」
「ここ、中になにがあるん?」
「はぁ? 何って清水寺やないか」
「ふーん」
…この人達はココまで何しにやって来たんだ? 思わず吹き出す。

 境内の中も人人人。有名な清水の舞台は人の重みでいつもよりも傾斜がきつくなってる感じ。怖くなって観音様に参拝もロクにせず、舞台を素通りすると。真っ赤に彩られた東山の光景。 
 これで人が少なければ文句ないのだが。と、自分のことは棚に上げる。

「3太郎さん、二人で写真撮りたい!」
「うん、そうやなぁ」
「誰かに頼もうよ」
「そやなぁ」
そういえばあんまり二人で撮った写真って無かったなぁ。人に頼むのってなんか億劫でメンドクサクって。ついついわんこのカメラにはワタクシ一人の写真ばかり、ワタクシのカメラにはわんこ一人の写真ばかりが溜まっていく。でも今日はせっかくだし。いっちょ清水の舞台から飛び降りるつもりで。

「すいません、シャッター押してくれませんか?」
「ええ、いいですよ」
意外なほどに気持ちよく承知してくれる初老の夫婦。
久しぶりに「ハイ、チーズ」を聞くことが出来て大変満足した。もちろんお礼代わりに彼らのカメラでもパチリ。お返しは「1+1は?」「にぃ〜」で決まり。

 気が付けばいつの間にか日はすっかり西に傾いて、紅葉の山が燃えるように美しい。真っ赤だなぁ、真っ赤だなぁ。手をつないで懐かしい歌を二人で口ずさみながら、坂を下って家路についた。

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