足の指の間が痒くなる心意気
2002年11月2日(土) 「オニヘー」〜土曜日のクソマジメ | |
控えぃ! 不良債権改メ方長官、タケナカヘイゾー、人呼んで「オニヘー」である。儂の裁きにごちゃごちゃ文句をつける、巷にはびこる悪どい奴らを成敗してくれるわ! 「おかしら!」 「おお、彦じい」 「お言いつけの通り探りを入れてきましたぜ」 「金貸しどもはなんと申しておった?」 「へぇ。案の定、ぎゃあぎゃあ叫んでまさぁ。連中すっかりトサカに来てますぜ」 「ヤッコさん、デフレ対策の重要性にまだ気がつきやがらねぇのか」 「へぇ、景気回復よりも自分の首が大事ってことなんでしょうかねぇ」 「うむ、此度の裁きでは金貸しどもの水増し分をキッチリ見極めることになっておるのでな。場合によっては打ち首もやむを得ん」 「あいつら、いざとなったら貸してる金を無理矢理にでも取り立てるかもしれませんぜ」 「うむ、でかした。ささ、これで一杯やってくんな」 「へっ、ありがてぇ」 「おかしら…」 「おう、オマサか」 「はい。おかしらの裁きでゼネコン業界もかなり苦しんでいるようですわ」 「ふむ、するってぇと抵抗勢力の奴らにも実入りが薄いってわけか…」 「はい。ただでさえ御上の普請が少ないのに、やっと手にした儲けも全て金貸しへの返済に回さないとやって行けない、とのこと」 「なるほど。で、抵抗勢力どもはどうだ?」 「アタシの口からはとても…聞くに堪えない悪口ばかりでございます」 「うむ。はっはっは。そうであろう。よくやってくれた、礼を言うぞ」 「殿さま…(ぽっ)」 「ん? そこにいるのは…なんだウサ忠じゃねぇか。またつまみ食いか?」 「いえ、そ、そんなワタクシはそのような…」 「まあいい。そろそろ捕り物が近い。心いたせよ」 「はっ。で、おかしら…実はイマイチお裁きの中身が判らないのですが…」 「なんだ、しょうがねぇやつだな。まあいい。なんでも言ってみろ」 「はい、では、お言葉に甘えて。今回のお裁きの不良債権処理策の特徴はこれまでのものとどう違うのでしょう?」 「金貸しどもがカネ蔵の中身を水増しして『ウチは安全だ』などとウソついてやがるから、そこをキッチリ暴き出して、場合によっては御上の資金を投入して、『御上の金貸し屋』にしちまうってぇ寸法だ」 「しかしその水増し勘定は以前の御上の方針だったのでは?」 「そらまぁ確かにそうだが、これだけ不良債権がふくらんじまったままじゃぁ、どうしようもねぇのさ」 … 「何だか難しいですね」 「うむ。この語り口と、この問題はどうもあわねぇな」 「失敗ですかね」 「おとっつぁん、それは言わない約束でしょ」 「あ。ドラマが違う」 |