足の指の間が痒くなる心意気

2002年10月28日(月) 「対決の図式」

 日本シリーズがつまらない。…と、こう書くと「それはお前が阪神ファンやからやろ!」と言われそうだが、必ずしもそればかりでもない。

 「盛り上がるべき対戦」にはすべからく理想的なカタチがある。それは異なる世界観を持つ者同士の対決である。その最も判りやすい例は「力道山vs悪役外人レスラー」であろう。確かに作られたイメージではあったが、「反則なしの正義の味方・力道山」と、「凶器攻撃なんでもありの悪役レスラー」という見事なまでに鮮明な色分けの図式で、ファンは否応なしに盛り上がったのだった。

 また、今回の国政選挙の投票率の低さ。例えばワタクシの住む大阪の選挙区では前回2000年の衆院選から見ると20%もの下落、そして過去最低の41%。いかにも盛り上がっていない。確かに2年前は衆参同日選でもあったし、盛り上がる要素は多かった。なんと言ってもその要因の中で最大なものは、あの「辻元清美」候補だったろう。保守基盤の厚い大阪10区にあって、見事選挙区当選。投票率も60%を越えていた。振り返って今回の候補を見ると、右から左まで保守保守保守保守。一人共産党系候補がいたくらいのモノだった。有権者から見ても選択の余地がない。はっきり言って「誰でも一緒」…これでは対決の図式も成り立たない。

 野球に話を戻そう。現在のプロ野球で最も客の入るカードは、誰が何と言っても「阪神vs巨人」である。阪神ファンの盛り上がりようはスゴイ。ソコには単に野球だけでなく「大阪vs東京」の対決の図式がそのまま持ち込まれているからであろう。もっとも、ライバル視しているのは「阪神・大阪」陣営だけで、東京は大阪を鼻にも掛けていないのが現実であるが。

 関西人から見れば「巨人vs西武」の日本シリーズからは、その「対決の図式」が読みとれないのである。つまりどちらにも感情移入できず、一向に盛り上がらないでいる。「金持ち同士がなんかやってるわ」という、モロひがみ根性で斜めに見ている自分を感じる。これが西武でなくロッテや日本ハムだったら、もうちょっと違うだろう。「アンチブルジョワ」「判官びいき」の血が呼び覚まされ、そういう意味では幸せな「アンチ巨人」であり続けることが出来るであろう。

 「阪神vs近鉄」だったら…盛り上がるだろうか。その「対決の図式」はどこにあるのだろう。それは「どっちのファンが口汚いか」ではないかと思うのだが、どうだろう。

「おいこら! 近鉄! 鈍足! 鈍牛! 遅いことは牛でもするぞぉ」
「じゃかっしゃい、ダメトラ! 南港の水は冷たいどぉ。阪神電車ではよ帰れ!」
「なんじゃこらぁ。やるんかい、おお!?」
「おもろいわい、いてこましたろかい!」

…うーん。ある意味盛り上がることはまず間違いない。もう一つ、道頓堀に何人飛び込むかも、見モノにはなるな。

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シバクドいてまえ 番長キヨハラ
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