足の指の間が痒くなる心意気
2002年10月21日(月) 「ラーメン屋と子ども」 |
よく行く近所のラーメン屋。味はなかなかイケル。田舎町にあるにしてはなかなか流行ってる。夫婦二人で店を切り回している小さな店。 半休をとって帰る、雨の日曜日の昼下がり。遅い昼飯をその店でとろうと、ちょいと寄り道した。席数12,3席の店内には7,8人の客。なぜかカウンターの一番奥にはなぜか小学3,4年生とおぼしき子どもがたった一人で。その時には何も不思議には思わなかった。腹が減ってたのだ。その子どもの隣の空席に腰掛けて、オーダー。 「大盛り、ニラ付き。それからギョーザ」 …また無意識に大盛りメニューを頼んでしまったと、2秒半ほど反省するが、すぐにその苦い熱さはノド元を過ぎていく。 ラーメンを待つ間、持ってきた文庫本をぱらりぱらりとめくる。活字が目に入ってこない。隣の子どもが盛んにカチャついているせいだ。カウンターの楊枝立てから楊枝を抜き出してなにやらあそんでいる様子。と思ったらティッシュを抜き出して何か落書きを始める。と思ったら割り箸を抜き出して割って戻す。おいおい。さすがにそれはアカンやろ。ここはきっちり大人として注意せなアカン、と本を伏せ子どもの方を向いた途端、その子はつと立ち上がってカウンターの内側へ。 「おかーちゃん、遊んでーなー」 …あら。こちらのボクちゃんでござーましたか。おほほほほ。失礼致しました。 しかし、おかーちゃんと呼ばれたこの店の奥さんは、大きなチャーシューの固まりと只今格闘中。とても遊んでくれそうには見えない。 「おとーちゃん、つまらーん」 コラコラ。おとーちゃんはな、今、このワタクシの昼飯を作ってはんねや。それを邪魔するとはふてぇガキだ。 「しゃーないやっちゃ、コレで遊んどけ」 おとーちゃんはそういって、 ラーメンをすすりつつ、お坊ちゃんの様子を見ると、先ほど割った割り箸と輪ゴムで…ははーん、輪ゴムの鉄砲を作ってるんか。懐かしいなぁ、と思いながらも輪ゴムがワタクシの目の前に飛んできたりする。いくらラーメン屋とは言え、これでは落ち着かない。 そう空いている、とは言えない店。店主の子どもが店内で、そう大人しい、とは言えない振る舞い。割と日常茶飯事らしく、店主夫婦は特に客にはばかる様子も断りもない。こういう店を、アットホームな店、と見るか。客への態度が悪い、と見るか。 外に出ると雨が強くなっていた。あの子も、本当は外で遊びたいのかな。そう思いながら、傘を開いた。 |