足の指の間が痒くなる心意気

2002年8月29日(木) 「伸びるな!」

 ワタクシだけでなく皆そうだと思うが、人というものは一様にメンドクサがりだ。いったん座ったら、立ち上がるのがもうメンドクサイ。「勃ってる立ってるモノは親でも使え」ということわざがソレを証明している。

 特にメンドクサイのが散髪と爪切り。女性の場合は髪も爪もオシャレの重大な要素であり、一概には当てはまらないかも知れないが、男性の多くのソレは、そうしなければいけないからそうする、というだけのいわば「社会への通行手形」である。髪も爪も伸び放題で許されるのは、サドゥー(インドの苦行者)かホームレスくらいなものだ。

 子どもの頃、「あんた、うっとぉしいなぁ。毛ぇ伸びて」と母親に千円札一枚渡されて散髪に行かされたモノだが、メンドクサくてそのまま遊びに行ってしまった。当然そのままでは散髪しなかったことがばれるので、こっそり自分でお道具箱の図工のハサミで髪の毛を切って、ついでに千円せしめようとしたのだが、コレも当然のようにすぐばれる。母親に無理矢理押さえつけられ、髪の毛を切られる。そんなとき、思ったモノだ。
 「髪の毛、伸びひんかったらええのに…」

 爪も同様。子どもというモノは新陳代謝が盛んである。特にこの季節、一日外で遊ぶといつの間にか爪が垢で真っ黒。その垢を爪楊枝なんかでこそげとるのが好きでたまらなく、よく爪を伸ばしっぱなしにしていた。見つかると母親の監視の下で爪を切らされる。当時我が家には、今最も一般的な「ホチキス型」の爪切りはなく、爪の形に添って湾曲した小さなハサミタイプの爪切りを使用せざるを得なかった。これがまた妙に深爪率の高い代物で(要はブキッチョなのだが)、恐怖に駆られながらかがみ込んで爪を切る。そんなとき、思ったモノだ。
 「爪、伸びひんかったらええのに…」

 いまでこそそれなりに社会に適応し、なんとかサドゥーに間違われない程度には髪も爪も適度な長さに保ってはいる。唯一保ちきれないで苦慮しているモノ。それは「腹の皮」に他ならないのだが。

 いっそのこと「腹の皮を伸ばし続けるサドゥー」としてインドで暮らしていけたら、とすら思うのである。

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片言隻句

「出る杭は 打たれる」の例え 腹で受け

でものはれもの ところかまわず
まうまうさま


いくら打たれど へこまないけど
伝助さま


出れば出るほど 打たれ強くて  3太郎
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