足の指の間が痒くなる心意気

2002年8月7日(水) 昼寝の敵」

 年とともにどんどん早寝になっていく。ちょっと前までは徹夜の一日や二日くらいどうってコトなかったのに、近頃は2時まで起きてたら大したモンだ。それ以上起きていることができないのである。2時を回るともう、モニターの前でうつらうつらしている。最近は朝方の更新が多いのも、そういう理由である。かといって早起きになるかというとコレが必ずしもそうではない。職場で泊まり込みの時は別にして、休みの時は朝寝がそのまま昼寝につながっていくこともしばしばである。

 ところが夏はそうもいかない。クーラーをつけっぱなしにできるほど裕福ではなく、窓を開けて寝ているのだが、コレが実にうるさい。夏は特にうるさい。

 まず子どもがうるさい。夏休みだし、元気なのは素晴らしいことだが、あなたの隣人が昼寝に興じていることを忘れてもらっては困る。「キヤァァァァァ〜ッ」というあの子ども特有の甲高い叫び声を上げながらマンションの廊下をどたばたと走り回る。やめて欲しいモノだが、ヘタに注意などすると将来のわんこの公園デビューに響くのではないかと思うと、ぶつぶつ言いながら子どもの足音の遠ざかるのをじっと寝床の中で待たざるを得ない。

 もう一つうるさいのはセミだ。関東以東の方には馴染み薄いかも知れないが、関西以西には「クマゼミ」というデカいセミがいる。体がデカいだけでなく、声もデカい。「シャーシャーシャーシャーシャーシャーシャーシャー」と、こいつが鳴き始めるともう寝るどころではない。

 夏になると流れるそうめんのCMはたいていバックにセミの声があてられている。そしてその多くは「みーんみーんみーんみーん」という「ミンミンゼミ」の声である。ところがミンミンゼミは実は関西にはあまり生息していない。いるとしても比較的標高の高い(概ね200m以上の)山中であり、平野部ではあまりあのそうめんを連想させる声を聞くことはない。なのに関西ではそうめんのCMのバックには―それが播磨の「揖保の糸」であっても奈良の「三輪そうめん」であっても―ミンミンゼミである。少し違和感があるのは否めないが、先程述べたようにミンミンゼミは涼しいところにいる。ゆえにミンミンゼミの声は関西人の耳には非常に涼しげに聞こえるのだ。決して関西の夏を連想させる音ではないが、そうめんのCMが暑苦しいクマゼミの声ではやはりダメなのだろう。

 クマゼミは南方種の大型のセミで暑いところがダイスキ。聞けば50年ほど前はクマゼミの生息北限は愛知県にあったというが、現在では太平洋側では神奈川県、日本海側では福井県まで上がってきているという。これは言うまでもなく、平均気温の上昇に伴うものであり、いわゆる「地球温暖化」の顕著な証明として、我が国ではしばしば例に挙げられている。

 今のところあまり東京ではクマゼミは鳴いていないらしいが、ヒートアイランド現象のメッカ・東京の気温もご多分に漏れず年々上昇しているという。クマゼミが東京で鳴き始める日も、そう遠くはないだろう。そしてそうめんのCMの効果音が変わる日もそう遠い未来の話ではないのではないか?

 クマゼミの声を、人類に対する一つの警鐘として、せっかくの休日の今日は窓を開けて昼寝をしてみようと思う。…しかし、暑い。

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セミの声 コレがなければ 夏じゃない

アノ声 ドノ声 ナンノ声
まうまうさま

蝉の声より 水着のねーちゃん
伝助さま


海にはビキニ タンキニは不可
志さま


負けずコチラも 恋に焦がれて  3太郎
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