足の指の間が痒くなる心意気
| 2002年7月4日(木) 「指でオトす」 子どものとき、虫採りが好きだった。 夏が待ち遠しかった。 カブト、クワガタ、トンボ、セミ、チョウ、バッタ…はてはマイマイカブリにダンゴムシ。 目に付く虫はすべてゲットし、水槽に入れて飼っていた。 なかでもトンボを採るのが好きだった。 網でとるのは簡単だが、やっぱりトンボ採りの真髄は例のアレである。 そう、トンボの目の前でクルクルと指を動かしてトンボの目を回して採る、アレ。 正確には目を回すのではなく、単に指に注意をひきつけるだけなのだが、 なかなか馬鹿に出来ない。 シオカラトンボやヤンマのようなスバシコイ奴はなかなか難しいが 赤とんぼの類の少しのんびりした奴はほぼモノに出来た。 あるとき家の庭の垣根の杭の端から端まで ずらっとトンボが止まっているのを見て胸が躍った。 よし、コイツラを全部モノにしちゃる。 密かな闘志と虫かごを抱えて庭に出る。 1匹、2匹、3匹…面白いように採れる。 そうこうするうちに虫かごはトンボでいっぱいになった。 放してやろうか、とも思ったが、 全部これを指クルクルで採ったんだ、と親に自慢したくて夜までそのままにしておいた。 夜になって親にひとしきり自慢した後、 「そろそろ放してあげたら…」と言われ窓を開けてトンボをリリース! ところが… すでに外は真っ暗。 急に自由を与えられたトンボたちは、哀しいかな、 その本能と部屋の中の明かりにつられて 一匹残らず部屋の中へ!! …まさにトンボ地獄。 わんわんと部屋中を舞うトンボ。 ゆうゆうと蛍光灯を我が物顔に占拠するトンボ。 テレビの画面の明かりにしがみつくトンボ。 もう、トンボ、トンボ、トンボ。 口を開ければ飛び込んできそうで話すことも叫ぶことも、あくびすら許されない。 すさまじい緊張感とトンボのばさばさ言う羽音の中、我々家族はあきらめて床に就いた。 おかげでその日は蚊に食われることはなかったが、翌日。 床一面を覆うように折り重なったトンボの死骸を見せつけられ、 それ以来ワタクシはこの「黄金の右人差し指」を封印することになったのだ。 …続かない。 |
| 片言隻句 指回し 気を引くスキに モノにする 誰が呼んだか 指先詐欺師 志さま これでイチコロ ゴールドフィンガー 3太郎 |