足の指の間が痒くなる心意気

2002年7月3日(水) 事故でボロもうけ」


随分と前、もうすでに時効になった話だが、追突された。

交差点の信号が変わる間際、

「イケルッ!」と思って突っ込んだのだが急に前の車が停まった。

慌ててコチラもなんとか停まったのだが、直後に軽く鈍い衝撃が。

「あ…当てられた?」

車を降りて後ろを見ると、後ろの車の運転手も慌てて降りてきた。

「何で停まるんや?」

ぶつかった割には結構なお言葉やないですか、ああ?

「何言うてますねん。前が停まったからに決まってるがな、おっさん」

「………」

けっ。だまりよった。しょぼいやっちゃで。

おっさんはランニングシャツに半パン。大丈夫かいな。

「まあ、バンパーだけやし、4,5万てとこちゃいますか?名刺もらえます?」

車の下を覗き込み、しぶしぶと名刺を差し出すおっさん。

「ほな、また連絡しますよって」


それから一週間ほどのち。

部品が入った、と修理工場から連絡を受けてそこへ向かう道すがら。

結構地元では人気のラーメン屋の前を通りかかった。

と、店の前に停まっていた車の扉が急に開いた!

慌ててブレーキを踏む、それで精一杯。

何とかコチラは停まったが、そこへ前よりも少し激しい衝撃。

「あっちゃー。またやまたや。」

こう続くと何か知らんがはしゃいでしまう。

「なんで急に停まるんや!?」
きたきた。またやまたや。_^)ぷっっ…

「何言うてますねん、前の車が…」

そこにいたのは!

K−1の角田さんとラグビーの大八木さんを足して2で割って少し押しつぶしたような…

「ま、前の車が急にあのその、と、扉をですね…」

ごめんなさいごめんなさい、と泣き出しそうになるのを必死でこらえつつ虚勢と論を張る。

「…まあ、しゃーないですわな。とにかく、怪我はないですね?」

「え、ええ。それは大丈夫です」

「当ったんはコッチやし…ココへ連絡ください。保険で修理は全部やります」

うわーむっちゃええ人。
でも、出来たらそのサングラスはずしてくれはったらもっとええのに…夜でっせ?


その足で修理工場に向かう。

「またまた追突されましてん」

「ええっ!また?…御祓いとか行かんで大丈夫ですか?」

「言うてくれますねぇ(笑)」

「うわーかなりイキましたね、今度は。ドア交換やな…で、前の分も一緒にやりますけど?」

「うん、で、今度の事故のほうへ全部乗せといてください。保険でやってくれるそうなんで」

「うわーワルですねー。まあ、ウチはいわれた通りしますけど。げへへ」

「じゃあ、頼みます。げへへ」


そういうわけでその前の修理代、4万数千円は丸々ポケットに。

事故だってタマには捨てたもんじゃない。

毎日毎日通勤は車だが、それ以来こんなオイシイ思いはしていない。

そうそう切り株の前に自ら飛び出るウサギはいないものだ。

ちなみに今もって御祓いは受けていないのだが。

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