足の指の間が痒くなる心意気

2002年5月25日(土) 金の遣い道」


ワタクシの住むマンションの眼下にはJR・東海道本線が走っている。

おかげで窓を開け放つとテレビの音が聞こえないほどの騒音である。

しかしまあ、電車が目のすぐ下を走っていくのはそれなりに見ていて飽きない。

晴れた日にはベランダに出て、

ビール片手にぼぉっと電車を眺めていることもしばしばだ。

実物大の鉄道模型をタダで手に入れたようなものだ。


また、すぐ近くには絶好の鉄道写真撮影ポイントもあり、

休日ともなるとやたらゴツイカメラを抱えた男どもが。

見事なくらい100%男ばっかりが。

どこからともなく繰り出して来てカメラを行き交う電車に向けている。


先日そのポイントを通りかかったとき、

足元に、それはそれは膝くらいまである高さのデカイ水筒を、でんと置いて

撮影にいそしむ青年がいた。

そのときはまだ午前中だったから

「エライ気合の入れようやなぁ。きっとこれから夕方まで頑張らはるんやろぉなぁ…」

と思いつつ、なおも歩みを進めて行くと、だ。

なんとそれはカメラのレンズだったのだ。

その高さは優に50センチはあった…

あんなレンズを見るのは初めてだ。


…しかし。

そのレンズにつぎ込んだ金をよそへ振り向けたら。

こんなええ天気の休みの日にたった一人ぼっちで

電車の写真撮りに来なくてもいいんじゃないのかな?

いや、人さんの趣味に口出しする気は毛頭ないのだが…


家に帰って部屋に入って。

本棚ぎっしりに詰め込まれたマンガ本に目をやり。

「人のこと言えんな、こりゃ。」

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「人のこと言えぬ」 我もまた 独り者

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