2002年3月29日(金) 「帰去来」
春は別れの季節です。
いままでありがとう。ホントにありがとう。
振り返れば学生のころは高い理想を胸に掲げ、
「俺は『課長のボケ!』とか絶対に言わへん、正しい立派な大人になるんや!」
と思っていたものでした。
そして今…社会人になって10年足らず。
悪口の語彙と怒りの対象を日々確実に広げながら、
ワタクシはココまで歩いてまいりましたです、ハイ。
27日は職場の人事異動の内示。
たまたま休みだったワタクシも携帯電話が鳴るか鳴らんか
ドキドキしながら一日を過ごしました。
なんせ、今の職場はこの春で、もう9年目。
そろそろ異動か、と荷物をまとめつつあったワタクシです。
しかし…まったく電話はピクリともせず、
改めて「友達、少ないんかなぁ…」と電話を見つめて一人思ったほど。
一夜明け出勤した今朝、職場の先輩からいきなり「お世話になりました」と一礼され、
白羽の矢はワタクシではなく、この方に立ったのだと知りました。
その人事異動の内容を聞くにつれ、
つくづく「上のやつらは結局現場のことをわかってへんのや」と
「課長のボケ!」を通り越して一気にむなしささえ覚えます。
春のこの一日だけで、人生において人が表現出来得る
ほとんどすべての感情が湧いては消え、消えては湧きするような。
希望、絶望、不満、不安、期待、喪失感、喜び、哀惜、怒り、悲しみ、達成感、虚無感…
さまざまなものをその胸に抱きながら、人は季節とともに去来します。
見送る者、迎える者、去りゆく者、やって来る者。
見送りと出迎えばかり10年近く続けてきたワタクシは、
今年の春も、なぜか取り残されたような、それでいて安心したような。
奇妙な焦りと、微妙な安堵感に押し込められています。
せめて、去りゆく者達に精一杯の感謝と、
やって来る者たちへ心からの歓迎を伝えたい、と今はただそればかりを思っています。
春は出会いの季節です。
どうぞよろしく。一生懸命、やりますよ。 |