足の指の間が痒くなる心意気
2002年2月20日(水) 「伸びたのは、ナニ?〜弁当魔人サイドストーリー」 「ちわーーーーーっ!まいどーっ!」 12:30ちょうど。 近所の中華料理屋から、いつも決まって出前がやってくる。 日常なればまったく違和感はないはずだ。 しかし日常であるにもかかわらず、この違和感はなんだ? この数日、ほぼ毎日見慣れているはずなのに、ものすごい違和感がある。 なぜなら、ここは高校の教室だからだろう。 教室に現れるラーメン屋の出前。 弁当魔人に悩まされるクラスメート数人の注文だった。 最初は一つ、次の日は二つ、日を追うごとに増えていくラーメンと大めし。 たしかに冷えた弁当抱えてるよりも、温かいものの方がいいよなぁ… 弁当魔人に早弁食われて、さあ食べよと弁当箱開けたら500円玉入ってるよりも ぜったい出前のラーメンが良いに決まってる。 それにラーメンにとって、教室は一種の異空間。 異空間でのラーメンはまた一際ウマそうに感じるものだ。 ところがそんなある日。 その日は幾分様相が違っていた。 誰かの悪戯が原因で授業をつぶして担任のお説教が続く。 4時間目終了のチャイムが鳴った。 いくらなんでも、昼休みや、説教も終わるやろ……… 終わらない。まったく終わらない。終わりそうな様子もない。 時間は容赦なく進む。 ラーメンを注文した連中が徐々にそわそわし始める。 そう、時計の針はまもなく、12:30にかかろうとしていた。 今日だけは、今日だけは遅れて欲しい。 ラーメンを注文した奴らのみならず誰もがそう願っていた。 しかし、我らの願いもむなしく、今日も出前持ちは時間に忠実だった。 彼はいつもに増して元気良く、ガラガラガラっ!と教室の、それも前の扉を開けた。 「ちわーーーーっ、まいどーーーー…?お?」 時間が凍った。 担任教師の怒りは一瞬の空白の後、見る間に倍加した。 どうして良いのか判らず立ち尽くした出前持ちは、目線を巡らす。 その先に担任の怒りに満ちた顔を発見した彼は、 代金も受け取らず岡持だけ置いて逃げるように去っていった。 そして説教は伸び続ける。まさに火に油だ。そのまま昼を越え、午後の授業もつぶれ… 結局注文したヤツらは職員室に召し出され、こってりしぼられた後、 伸びきったラーメン(ソレはもはや小麦粉の塊だった)を夕方近くに半べそで齧っていた。 無論、それ以降、学校内で出前持ちの姿を見かけたものはいない… |
片言隻句 すきっ腹 やたらと響く 怒鳴り声 おなかグルグル 声ガンガン かあくんさま 育ち盛りは 叱られ盛り まうまうさま たつ一方で なる腹もあり ラキさま もうストレスは とんだでしょうに… 3太郎 |