足の指の間が痒くなる心意気

2002年1月19日(土) 「ちょっといい話」

もう、「お笑いサイト」だなんて言わせまへん
このサイト、「隔靴掻痒」は良いお話満載の、ほろりとさせるページです!
いいですか?いいですね?




ある夫婦には小学校1年生の一人娘がいました

目の中に入れても痛くない、というくらいの可愛がりようで

3人は、本当に幸せな暮らしを営んでいました


「今度のあの子の誕生日には、前から行きたがっていたディズニーランドに連れて行ってあげよう」

「そうね、じゃあ、レストランも予約しましょうよ。バースデーケーキもそこで食べさせてあげましょう」

父親も母親も、娘以上に娘の誕生日を心待ちにしていました


娘の誕生日まで、あと2週間あまりのある日…

あっけないことに娘は突然この世を去りました

交通事故でした…

父親も母親も、悲しみのあまり食事ものどに通らない日が続きました

一度はキャンセルしようかと思ったディスニーランドのレストランでしたが

娘の誕生日を目前に控えた日、

「やっぱりあの子を連れて行ってあげよう」と夫婦は決心しました


そして、今は亡き娘の誕生日

夫婦はレストランにやってきました

「あの…3名で予約を入れていたものですが…2名なんです…」

席に案内されます

そっと娘の小さな写真をバッグから取り出し、3つ目の席に飾る母親

それを見たウェイトレスはこう言います

「…お料理は、3名さま分ご用意させていただきます…」

運ばれてくる3人分の料理

一つは手付かずのまま、小さな写真の前に並べられていきます

食事の最後にはミッキーマウスから娘へのバースデーメッセージが添えられた

バースデーケーキに、7本のろうそく…

この夫婦の喜びは如何ばかりでしたでしょうか…

夫婦は、いや、家族は久しぶりの3人の食事を、心ゆくまで楽しむことができました


食事も終わり、会計をしようとすると、先ほどのウェイトレスがやってきました

「少々お待ちください…」

言われたとおりそのまま席で待っていると運ばれてきたのは。

娘の分の料理をつめたボックスに。

大きなミッキーマウスのぬいぐるみ。

「こちら、どうぞお子様に上げてください」


夫婦は涙が止まりませんでした…

「お供えください」ではなく「上げてください」

まるで家に帰れば娘が待っているようで、いや、娘がここにいるようで!

娘がまるで生きているかのような、そんな錯覚にさせてくれる…

レストランのウェイトレスの判断だけで、ここまでしてくれた、

このウエイトレスは、いや、このレストランは、いや、ディズニーランドは。

悲しみに打ちひしがれたこの夫婦に、一瞬とはいえぬくもりを与えてくれたのです



そんな、ちょっと哀しい、でも、あたたかい。
そんなお話…




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片言隻句

あの人の ぬくもり抱いて 眠りたい

確かな思い出 かすかに薫る
まうまうさま

一夜限りの 夢だとしても
伝助さま

儚き浮世の 夢物語
志さま


寒き一夜を ほんのり熱く  3太郎
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