足の指の間が痒くなる日記

10月4日(水)
宝永の大地震、死者約千人(1707年)
富岡製糸工場開業(1872年)
ソ連が初の人工衛星スプートニクを打ち上げ(1957年)
蔵前国技館閉館(1984年)
ベトちゃん、ドクちゃんの分離手術成功(1988年)


秋である

仲秋の名月もすぎ、いまや全国的に秋真っ盛りだ



ワシの職場はキャンプ場

当然、山の中である

自然がイッパイで空気もうまい

たまにアベックで来るキャンパーに水をかけたり

用もないのにロッヂに御用聞きに行ったりする程度が楽しみの・・・話がずれた・・・

自然がいっぱいの山の秋、実りの秋、食欲の秋

と来れば一番狙い目は「キノコ」それも「マツタケ」だ!

先日のことで恐縮だが、秋の味覚について・・・



その朝、誰よりも早く出勤したワシはすぐさま着替えて山へ突入した

目指すはあの谷、ワシが以前から狙いをつけていたあの谷だ!

道をそれ、藪をこぎ、岩をよじ登り、やっと目的地にたどり着く

慎重に地面に手で触れ、すこしでも落ち葉が盛り上がっていないか探りを入れる

お。これは・・・ちがう石ころだ・・・こ、これは。。。違うか・・・

まだ少し早かったか・・・そろそろ切り上げないと・・・

と、その時、前方1mほどの藪の中から不意に

「ガサ・・・ガサガサガサガサガサ!」

うわ!ク、クマか? いや、クマはいないはずだ、イノシシか! や、ヤバイ!

この時期のイノシシは発情期を迎えヒジョーに怖い存在なのだ

逃げれるか?間に合うか?逃げ切れるのか?

「ガサガサガサガサ!」

だめだ! もう逃げ切れない、木に登ってやり過ごす! 

と決心して手近な木に飛びついたトタン!

「お、君もか?」

藪の中からマツタケ山盛りの竹カゴを提げて大先輩職員のNさん出現!

「ウギャーぁぁぁぁぁぁっ、あ?」

思わず発したワシの叫び声は山々に虚しいコダマを残し消え去った



「ビックリするがな、もう・・・いつまで木にしがみついてんねん、キミはセミか? ははは」

苦笑混じりにNさんは、マツタケをおすそ分けしてくれた・・・

ありがとう、ありがとう、Nさん・・・

おかげでワシは叫び声だけでマツタケを手に入れることができた

♪ヤーぁ、ホぉーほーおっとらんらんらん・・・♪



「あ、ところでな」

「はい?」

「さっき、キミがマツタケ探してたところ、俺、昨日ウンコしたところやねん、ごめんな」

マツタケ、これじゃあ足りませんよ、Nさん・・・


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