耳の穴がカユクなる恋愛絵巻
第五夜 高校2年生夏 3太郎初デートの巻 その1 男子校に入っていた高校時代 オボコい中学生のときは男子校なんて別に意識はしなかったものの、 心身ともに徐々に成長するなかでやはり切実な想いが身を突き上げて来るのを否めません それ即ち「彼女がほしい!」 まあ、そればっかり思ってたわけではありませんが、 そこそこに強く思ってました考えてました念じてました ハウツー本も買いました それも一足飛びのヤツ 曰く「彼女を悦ばせる超絶テクニック」 また曰く「ベッドの決まり手48手」 …およそ高校生の買う本ではないな・・・エロ本じゃ・・・ そんな妄想でハチキレンばかりの3太郎にもついに彼女もどきが・・・? 今回はそんな甘酸っぱい(笑)想い出です・・・ それは高校2年の夏休み後・・・ 当時3太郎はとあるクラブに入っていました 音楽が好きで入った軽音楽部 っていえば、聞こえはいいが校長のロック嫌いで 無理やりフォークギターでやってました クラブでやる曲は主に、当時流行っていた長淵剛、チャゲ&飛鳥とか、 先輩の影響でかぐや姫とか吉田拓郎とかオールドフォークまで どんどんフォーク野郎と化し、 同じ年代のやつらとまったく音楽の話があわなくなってきた自分に、 あきらめと快感を感じていた・・・ちょうどそのころです 我がフォークソング部には代々「女子高とジョイントライブをする」 というすんばらしい伝統があったのです いよいよわれわれの学年が幹事を任され慎重かつ厳正に相手校選びからはじめます 「可愛いこの多いのはここやで」 「でも・・・この学校、けっこうヤンキーぽいやつ多いで・・・俺らとはあわへんのちゃう?」 「そやなぁ・・・ほんじゃ、ここは?」 「制服はかわいいけどなぁ・・・制服だけやしなぁ・・・」 「ほんじゃ・・・」 基準は見た目のみ! あたりまえです。同じやるのだから楽しくやらなければ意味がありません 男ばかりの男子高校生にとって、女子高との交流だなんて夢のようなお話・・・ せっかくの美味しい機会、骨の髄までしゃぶり尽くさねばなりません なりふりかまわぬ選考と粘り強い交渉の結果 B女子高校とのジョイントが決定! さらにジャンケンで勝った3太郎が引き続き交渉役をゲット! 早速相手校の交渉窓口の人の自宅に電話です 「あ、こんにちは。今回お願いしてます○○○高校の・・・」 「あ、はい。はじめまして」 ・・・最初はぎこちない電話での会話も徐々に慣れてきた頃、 ミーティングと称して両校最初の顔合わせを行います そのときまで相手の顔を知らなかったので、「どんな子なんかな・・・」と 妄想、いやいや期待ばかり膨らんでいます そのミーティング、あくまでも部の公式行事ですので場所はうちの学校の音楽室で行われました ひごろ滅多に女子高生の降りてくることのない最寄り駅まで3太郎一人が迎えに行きます ・・・来るわ来るわ、総勢20名もの女子高生の集団です 日頃見慣れないものを見てしまい、一瞬気が遠くなりますが、むりやり妄想を振りほどきあいさつへ 「こんにちは、渉外担当の3太郎です・・・○○さんは・・・?」 「あ、はい、わたしです」 ・・・・次回へ続きます |