もう、ノックは・・・無用?

 しかしまぁ、『「コラムんむん」とコラムはほとんど関係ない』というコンセプトで始まったこのコーナー、とうとう
政治ネタにまで進出!無謀だと思いつつ書く俺もなぁ・・・。

なお、最初に申しておきますが、私は元々神戸市民、現在は京都市民ということで大阪に住んだことが
ない人間であることを頭に置いて以下の文章をご覧ください。(予備校とかではお世話になったけど)

 ということで今回は大阪府知事、山田勇こと横山ノック氏についてです。最近では選挙運動員に対するセクハラ
疑惑で「戦わずして敗訴」という道を選び、府議会からは問責決議案を提出されてそれが可決された、まあ多分
知事としては初の事をしでかした方です。辞任要求も出てますよね。そこで僕から一言、最初に言うっておきますか。
・もう辞めてもいいでしょう
・貴方の役割は終ったと思う

 ま、まずはこう思いました。

 そもそも僕はこの人の知事就任にいい感じは持ちませんでした。というのも何もしないタレント議員が知事になる
事に好感が持てなかったからです。しかも関西以外の人に「関西人ってああいう選挙もありなのね」と言われる
のがいやですし・・・。
 ところが大阪府民はそのノックさんを選びました。相手は共産党の候補といわゆる「オール与党・官僚候補」。
ついてなかったことにそのオール与党の官僚候補、厚生省のマイナー官僚。これでは知名度ダントツのノック氏には
勝てません。結局選挙中は接戦か?という声を圧倒するような大差を付けてノック氏が勝ちました。その時の陣営の
興奮した映像と対照的に僕は暗澹たる気持ちになりました。「こんな事あり?熱病にかかっているじゃない?」と。

 実際既に大阪府の財政は大変らしいということはどっかから聞いていました。当時、僕は浪人が決まった頃。
大学は神大か阪大で就職は府県庁か神戸・大阪市か・・・なんて考えていたからこの人の元で大丈夫?なんて。
 で、案の定、知事になってみると
表彰での知事の欄が芸名でいいのか、そうでないのか
なんていうど〜でもいいことでもめて府政が始まるというトホホな状態。一方、同じ「無党派候補」(懐かしや・・・)の
東京都知事、青島幸男氏は公約だった「都市博中止」を困難な状況の中でも見事に約束を果たして見事中止に
追いやり、しかもその「お詫び行脚」といって世界各国に挨拶に行く。そこで更に株が上がって・・・、と対照的な
滑り出し。あの頃は首都、東京がうらやましい!と思いました。

 が、しかし。有力なブレーンを持たず議会内に支持母体を持たない青島さんは寂しさを感じたのかその後は都庁の
職員にべったり、の姿勢を取ってしまいます。議会対策にも苦労して結局それ以後は何もできないまま知事職を
投げ出すような感じで1期4年の都政を終らせました・・・。
 一方のノック氏、最初は全くさえない状況だったものの、いつのまにかに仕事をしていた、という感じでしょうか?
特に評価すべきは財政再建プランでしょうか?これは知事就任以降さらに悪化した大阪府財政を立て直す為の
ものでこれは福祉・教育費削減という痛みも伴うけどいずれは必要、というもの(だと思う。それだけ大阪の財政は
危機的状況なのです)でした。これは関西のマスコミ(中央のマスコミもかな?)が取り上げて賛否両論。でも
このように賛否両論を巻き起こせるだけの事をしたこと自体、評価されていいのでは?と思うようになりました。
 この人がこれだけのことができた理由、それを考えると
・労組や経済団体といった、いわゆる「しがらみ」がなかったこと
・それまでの言動から「憎めない人である」というイメージを使えたこと
・大阪府民がそんなに政治に期待してない、「そこそこやってくれたらいい」と思ったこと

こんだけのことが思い付きます。まず一つ目。彼の知名度からすれば労組や各種団体の組織票なんて要らない
わけでそういう意味では中立の立場から物を言えるのかもしれません。でもどういう法案、政策であれ、議会を
通さなければいけません。そこで生かされるのが二つ目。政策的にはともかく人気絶大なあの人、議会各議員に
とってみてもあの知名度は魅力的なんです。そこで彼らが思い付いたこと、それはノックを選挙に使おうという
事でした。実際、府議選挙でノック氏にお世話になった議員は多かったです。

 ということでノック氏は議会内で「ゆるやかな与党」を作ることに成功しました。表向きは結構対立しているようで
実際はぼちぼち・・・という感じでしょうか?実際、今年の知事選挙では自民・民主・公明系の会派及び政党は
(共産党府政阻止の1点で)独自候補を一切立てず、ノック氏支持を黙認しました。結局候補に立ったのが共産系
及び泡沫候補・・・。楽勝でした。これでノック氏は「財政再建計画」に本腰で取り組むはずでした・・・。

 そこで飛び出したのがあのセクハラ「騒動(もう、「事件」かも)」でした。でも最初は信じられませんでした。
マスコミの中には「陰謀説」が飛ぶくらい。僕も「まさか」と思いました。車の中にはガードマンとか運転手がいるんで
しょう?実際そんなことができるのか?そう思いました。しかも被害者側がすぐに訴追の動きにいきましたしね。
「用意が良すぎるぞ!」なんてかんぐったりして。

 ところがノック知事、最初のうちは逆提訴するくらい元気あったのになんと「公務に差し支えがあるから」と言って
裁判回避、自動的に敗訴・・・という道を選びました。
ドアホ!本当にやってなければ民事であろうがなんであろうが
主張すべき事は主張せんかい!あんたは特に選挙民あっての、だろうが!


 ドアホとはまた汚い言葉を使ってしまいました・・・。でもこれは言いたい。ノック氏は圧倒的な知名度、そしてそれを
生かした行政をしていたのです。そういう意味でそれを帳消しして余りある行為をしてしまっては・・・、なのです。
もちろん、セクハラ行為をする知事というのは論外ではありますがそれ以前に裁判を放棄するのも大概です。更に
裁判ではノーコメントなのに外に出ると(あるいは府庁内)では「あれは事実無根」とか言う。それなら裁判所で言わんか!
とツッコミの一つも入れたくなる。そんなことをやっているものだから裁判所でも「逆提訴は・・・」と言われるのです。

 「公務に専念したいから」と言いつつ実際はもう何もできない(議員は自分の選挙の都合だけ、選挙民もさすがに・・・)
状況でしょう。そう考えて、あの橙色のようなことを思ったのです。

 ま、更に僕が言いたいのが
自分達の選挙の都合でノック氏に不信任案を突きつけられない府議たち、「どうにかならんか?」
という事です。

はぁ、書いていて疲れだけが出る。これならクイズの所の更新をすれば良かった、反省・・・・。

 

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