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14 身体的虐待と体罰

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子供に対する身体的暴力を否定するような話をするとき、必ず反論として出てくるのが「しつけの範囲内の体罰は一定の効果がある、あるいはやむを得ない面がある」という主張です。
私の立場は
「たとえお尻をたたくとか手の甲をつねる、頬を平手打ちする程度の暴力であっても有害無益、体罰は親にとっても子供にとっても弊害ばかり大きい最低の手段である」
です。
さらにつけ加えて言うと、
「体罰を肯定する親はもっと有効で害の少ないしつけの手段があることを知らないか、そういった手段を選ぶことをサボタージュしている」
「親は自分の欲求不満を子供にやつあたりしながら、それをしつけであるとごまかしている」
の二点も主張したいです。

ここではまず、大義名分の影にひそむ加害者の自己中心性から話を始めたいとおもいます。

今まで「被害者が加害者に転じる、やつあたり暴力の連鎖」について書いてきましたが、そのどんずまり、弱者から最弱者への加害の典型が「乳幼児に対する暴力」であると私は考えています。

しつけだの懲罰だのといって子供に責任を押しつけることができない状況でも暴力加害は始まっているのです。

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