やや抽象的な話が続きましたが、これからはもう少し具体的な数字や公開された資料などもひきながら話を深めていきたいと思っています。
当面のテーマは「児童虐待」です。
私がこの分野について他の人より多少はものを知っている、というのが大きな理由です。
もうひとつの理由は、現代の日本人にとってもっとも身近な暴力問題であるということです。
この文章を読んでくださるみなさんは全員、子供の頃には大人に育てられていたはずです。
何割かの人たちは大人として子供を育てた経験をお持ちであったり、このさき親になるつもりがあるのではないかと思われます。
また、ほぼ全員がこのさき今の子供たちに介護を受ける立場になると予想されます。
ひとごとではない暴力ということで、意見や質問も出していただきやすいかと考えました。
もちろん、児童虐待のなかには養育不適切とか言葉の暴力、性的虐待など、いろいろなパターンが含まれます。
ここでは児童虐待問題そのものをテーマとするのではなく、「手段としての暴力」を考える材料として割り切って扱いますので、その点はご了承ください。