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7 ごめんなさい

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ここまで書いてきてようやく、自分が言いたいことをどう言い表したらよいのかがなんとなくわかってきました。
要は、「手段としての暴力」は、なべて「安物買いの銭失い」。
その場では効果的に見えても全体としてみれば加害者も被害者も損することばかり、それがわかればやたらと暴力に訴える気持ちはおこらなくなるだろうし、暴力をふるっている相手に接しても「あっちばっかり手を出すのはずるい」とか「やられっぱなしじゃ割に合わない」なんてことを考えなくてすむだろう、ということなのです。
ですから、最初の提言で
「暴力の行使も仕方ないという状況を例示して欲しい」
と書いたのは、正しくは
「暴力を行使したほうがお得だという状況を例示して欲しい」
とするべきだったのでした。
まじめに返答してくださったみなさん、ごめんなさい。
で、個人レベルの正当防衛に関して私の考えをまとめると、防御と逃走はあり、逃走のために手をふりほどくなどしてたまたま相手の手足にあたってしまった、というのは致し方なし、こちらからの積極的反撃は損することが多すぎ、というあたりになると思います。
問題は「正当防衛」という言葉の意味を深く考えずに拡大解釈する人たちがあまりにも多いことだとも思います。

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