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春爛漫

第七話

作:HIKU


やっとカテーテルが外され自由になったのはいいが、やはりとまどいがあった。

もっとも外す前にオシッコは出して於いたので暫くトイレに行く必要はなかったのだが・・・

 

 「どうしたもんかな?

  俺の・・・・・・

   僕の・・・・・・

    私の・・・・・・

     あそこはどうなっているのかなぁ?」

暫く思案していたが、急に立ち上がると、ヘアの鍵をロックした。

そして、お袋が置いていった荷物の中から手鏡をとりだしパジャマを脱いだ。

おもむろにベットに上がり鏡で見てみたが、まだ1週間しかたっていなかったので

まだ赤黒く腫れていて、とても妹のように綺麗な花びらには見えなかった。

ただ、男の証は綺麗さっぱりに無くなっていた。

 「ふぅー」

俺はため息を付き、鏡を枕元に放り出してパジャマを着た。

そして、する事もなくいつものように寝ころんだままであった。

 

暫くして、昼食が運ばれてきた。

ノックがあったので、鍵を開けに行きトレイを受け取った。

お椀が二つと、お皿が一つだけだった。

やっと少しはましな食事ができると思って期待していたのだが、見事に裏切られてしまったのだった。

しかし、お腹が空いていて仕方がないので俺は食べることにしたのだった。

一つ目の椀はお粥だった。といってもほとんどスープ状であった。

2つ目の椀はみそ汁で、豆腐がふたかけらほど入っているだけ。

そしておかずは、野菜の煮たものだけだった。

しかし、この一週間から思うとましな方だった。

 一杯のスープとゼリーが一つ。

そのおかげで体重は5キロほど落ちてしまった。

取り敢えず、全部を食べ終えたのだが、それだけでお腹が一杯になってしまったのには驚いたのだった。

 「なんか胃袋まで小さくなったようだな。

  まあいっか、こんな状態でしっかり食べていたら、太ってしまうからな。」

そうしてトレイを返しに行った。

そして、俺は他の病室の患者がどんなのかを少し覗くようにして部屋戻って行くことにした。

どの部屋も、女性ばかりであった。しかしほとんどが年輩ばかりで同世代の子は見かけなかった。

ところが、隣部屋の前を通りかけたとき、ドアが開いて一人の少女が出てきたのだった。

かわいい子だった、俺は少し会釈をすると相手も返してきたのだった。

部屋の壁のネームプレートを見ると「相沢 理恵」と書いてあった。

二人部屋のようだった。

しかしプレートには彼女しか入っていなかった。

俺は、後ろ髪引かれる思いで部屋に戻ったのだった。

そして部屋に入るとき振り返ってみると、彼女もこちらを”じっと”見ていたのだった。

そして俺はもう一度会釈をして部屋に入ったのだった。

そしてベットに上がり今会った彼女のことを考えていたのだった。

 

暫くして、困ったことが起きたのだった。

それは、

尿意を催してきたのだった。

今日からは、普通にトイレに座ってしなければいけなかったのだが、ものすごい恐怖心があったのだった。

今まで、竿をつかんで自由にできたが、もう何もないし、

看護婦がなんか言っていたような気がしていたのだった。

 「何だっけな?

  必ず座ってして下さいね、っと、終わったら洗って下さいね、っと

   それから、・・・・・・・

    えーい、忘れちまったぜ!」

そうこうしているうちに、益々尿意が高まってきたのだった。

 「このままではやばいぜ!」

仕方なく、トイレに入り便器に腰掛けた。

しかし、全然出てこない。

5分・10分・15分が経過していった。

益々尿意が高まってくる。しかし全然出ないのだった。

段々苦しくなってきて、俺は一度大きく深呼吸をした。

そのとたん、腹筋がゆるんだのか「チョロチョロ」と出だしたが、

傷口に沁みるとお腹に力が入り止まってしまうのだった。

そんなのを数回繰り返していたが、やがて勢いよく出だしたのだった。

出たのはよかったのだが今度は竿が無くなっているので方向が定まらず、

スプリンクラーみたいに出てビショビショになってしまったのだった。

まだ洋式でよかった、和式だったらどうなっていたことか。

 「えーと、洗うってどうすればよいのかなぁ〜」

俺は仕方なく、トイレからインターホンを押した。

暫くして看護婦が「どうなさいました?」と聞いてきたので、

トイレをしたけどどうやって洗うのか聞くと、「直ぐに行きます〜」と、返ってきた。

やがて足音がして、部屋の戸が開きトイレのドアがノックされた。

「開けますよ〜」

 「ちょっと待って下さい!」

て言ったときには、もうドアが開かれていた。

「やっぱり、随分濡らしましたね。

 まずは、パジャマを脱いで下さい。

 そして、これであそこを流して下さい。」

といわれて、なま暖かい容器を渡された。

 「どうすればいいのですか?」

「あっ、初めてだったわね!

 ノズル先をあそこに向けて、そうそう!

 それから、片手であそこをひらげるようして、うん、いいわよ!

 そして、容器お腹を押して下さい、すると洗浄液が出ますから。」

俺は、言われるままに容器を押した。少し傷口に沁みたが洗い終えると、

「そしたら、バスタブに移って下さい、シャワーを流してあげますから。」

もう、恥ずかしいも減った暮れもなかった。

看護婦の言われるままに、行動していった。

そして俺は下半身を流され、綺麗に拭かれ、着替えさせられ、ベットへと追いやられた。

看護婦は、トイレを綺麗に掃除してから濡れたパジャマを持って、

「洗って持ってきますからねっ。」

そう言うと、部屋を出ていったのだった。

そして俺は、又ベットの住人となったのだった。

それから数日間というもの苦汁の日々を過ごしたのだった。

出来る限りトイレに行く回数を減らすようにしていたのだが、

出物腫れ物で生理現象は押さえようがなかった。

しかし、毎回そこら辺にオシッコが飛び散るのでトイレに行くときは必ずパジャマの下を脱いでいくことにしていた。

しかし、3日もたつと次第になれてきて少しずつ出していけば何とか濡れないようになっていた。

それには、体を前屈みに倒してするようにしていた、それによりいくらかは後ろの方にオシッコが飛ぶからだった。

 

カテーテルを抜いて1週間たった回診の日、やっとシャワーの許可が下りた。

「手術の後の経過もいいし、縫った糸も融けているし、綺麗になってきているね、

 腫れの方も治まってきているし、今日から短時間のシャワーはOKですよ。」

俺は心の中で「やったー!」と叫んでいた。

時々看護婦さんに体を拭いていてもらっていたが、もう限界だったのだから、

 「長かった、やっとシャワーが出来るのか!」

その日の夕方が待ち遠しかったの何のって。

夕食を食べ終え、休憩が終わると俺はバスタブへと向かった。

そしてシャワーを出して温度を確かめるとパジャマを脱いでシャワーを思いっきり浴びた。

気持ちよかった、もう最高の一言だった。

人生今まで、風邪で2日間ほど入らないことはあったがこんなに長く入らなかったことがないからね。

まだ治りきっていない傷口にお湯が僅かに沁みたがそんなことが消し飛ぶほどに気持ちがよかったのだ。

しかし、久々のシャワーのせいだろうか、今までとは何か違う気がしていた。

 「なんか変だな?

  妙に皮膚が敏感になっているな〜

  それに、あちらこちらがくすぐったいような、

  胸の周りはぴりぴりするし、

  あれ?なんかしこりがあるな〜

  まあ、いっか!とにかくいい気持ちだ〜」

こうして俺は全身をきれいに洗って、しばしシャワーにうたれていたのだった。

それからは、変わったこともなく単調な日々が続いていた。

手術の後も日に日に癒えて行き、痛みもほとんどなくなっていた。

そして、手術から3週間がたった。

食事も完全に普通の人と同じ物になっていた。

そして、今日からは普通にお風呂にも入れるようになった。

後、一週間ほど退院できるらしかった。

 「もうじき退院か〜、長かったなぁ〜」

そうして俺はソファーに座って外を眺めていて、ふと思い出したことがあった。

 「そう言えば、隣の娘どうしたのかな?最近見かけないなぁ〜」

いったん気になると、どうしようもなくなった俺は思いきって彼女の病室を尋ねることにした。

しかし、ネームプレートには何も入っていなかった。

病室を覗いてみても部屋は綺麗に片付けられて次の入院患者を待っているだけだった。

 「もう、退院しちゃったのかな〜」

仕方なく部屋に戻ると、 妹のやつが来たのだった。

「どう、お姉ちゃん変わりない?」

 「あー、別に。」

「そう、今学校の帰りなの、お風呂に入っていい?」

 「いいよ、俺も入るから。」

「えっ?、お姉ちゃんお風呂には入れるようになったん?」

 「あー、やっと今日から入れることになってね。」

「それじゃ久々に一緒に入りましょうか。」

 「いいぜ!」

「それじゃ、私がどれだけお姉ちゃんになったか確かめてあげる!」

 「おいおい、あんまり無茶はしないでくれよ!まだ完全じゃないんだから!」

「わかってるわよ!うふふっ!」

 「おいおい!」

こうして俺は、女の子になって最初のお風呂で、とんでもない目に遭うのであった。


相沢 理恵ちゃん登場で何か有ると思った人ごめんなさいね。なんか、絡みを書こうと思ったけどなかなか思いつかなかったので消えてもらいました。ここに来て先の展開を考えるのが大変になってきていてこの先続きが何時書けるのか、まあ、1月に1話ずつ書けるようにと思っています。