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春爛漫

第六話

作:HIKU


いよいよ手術の当日の朝が来た。

いつもと同じく気怠い目覚めだった。

お腹は多少空いていいる感じがする。でも食べてはいけないことになっている。

しかし、いつも朝はあんまり食べる気がしなかったので別になんて事はなかった。

そしていつものように、ぼーっとベットで起きていると、だんだん目が覚めてきた。

すると同時に尿意を催してきたのでトイレに行った。

そして、パジャマをおろして、逸物を採りだして洋式便器に座った。

 「あ〜ぁ、こいつとも、もうじきお別れか〜」

そう思いながら用を済ませていると、何故か涙が出てきたのだった。

 「え〜い、もう決めたことなんだからクヨクヨするな!」

そう言い聞かせて、トイレから出てくると顔を洗った。

暫くすると看護婦が来て、また浣腸を置いていった。

「わかっているとは思うけど、きちんとして於いてねっ。」

そう言うと、体温、血圧、脈拍をチェックすると行ってしまった。

 「あ〜、やだやだ!」

そうは言ってもやらなくちゃいけない。

 「さっさと、やっちまうとするか!」

そうして、俺は夕べと同じようにして、我慢してトイレに行った。

 「もう、お腹の中がスッカラカンだぜ!

  いくら何でも、これでは、俺でも腹が減るぜ!」

しかし、食べることは禁止されていたので、仕方がなく、お茶でお腹をいっぱいにした。

これが、間違いの元だった。

飲んで暫くすると、お腹が“グルグル”来てしまったのだった。

そうして俺は、トイレの往復を何回か繰り返して、最後には何も出なくなってしまったのだった。

そうして、お昼前になり、お袋と妹がやっと来た。

「どう、なんか変わったことある?」

 「もう、お腹がスッカラカンで腹が減って死にそうだよ!」

「もうじき手術だから仕方がないわね、終わったら食べれるわよ。」

俺も、そう思っていたのだが、説明を聞き漏らしたのか、後でとんでもない目に遭うのだった。

12時になると、看護婦やってきて肩に1本の注射をしていった。

「これは、予備麻酔ですからね。

 それと、この手術着に着替えてください。」

それから暫くして、俺は眠ったらしい。次に気がついたのは手術が終わった後だった。

 

「それでは、お母さん、今から手術室へ移動します。終わるまでこの部屋か待合室でお待ち下さい。」

看護婦たちは、俺をベットからストレッチャーへと移し運んでいった。

手術室へつくと直ぐに服を脱がされ、全身麻酔の準備がされた。

そして、脊髄に麻酔薬が通されたのだった。

そして俺は、産婦人科にあるような足を乗せて寝る台へと移された。

そして片方の腕に脈拍系と血圧計がセットされ、もう一方には点滴が刺さっていた。

「先生、用意が出来ました。お願いします。」

「では、始める。」

そうして俺は、完全な女の子へと作り替えられていった。

まず、陰嚢の後ろから真っ直ぐにメスを入れ、ペニスと陰嚢の中の余分な肉が取り除かれた。

そして尿道の位置が変えられた、少し後ろの方へとずらされ縫合された。

そして、陰嚢の敏感な部分と神経を集めてクリトリスの整形が行われた。

別に膣はあったので、後は余った皮で大陰唇と小陰唇の整形が行われた。

それと膣の入り口がとても狭かったのでその部分も整形されたのだった。

そして最後に余った皮を切り取り、余分な尿道も切れ取られ、丁寧に縫合されていったのだった。

「これで、立派女性になったよ。良い出来だ。」

そう言ってドクターは手術を終えた。

後看護婦たちがてきぱきと後の作業をこなしていった。

尿道にカテーテルを通し、手術着に戻しストレッチャーに移し部屋へと戻っていった。

「お母さん、手術は無事に問題なく終わりました。」

「有り難うございます。」

「後で先生が詳しく結果を報告しますので、」

そう言って、俺をベットに移し終えると看護婦たちは戻っていった。

 

やがて、俺は痛みと寒さで一時的に意識を取り戻したが、

 「寒い!寒い!」

と震えていた。手術で体が冷え切っていたのだった。

やがてまた、ぬくもってきたのか眠ってしまった。

やがて、麻酔が切れたのか意識が戻ってきたのだった。

意識が戻ったのは6時頃だった。

「美津子、目が覚めたのね。」

俺は、お袋と良美の姿を確認しすると、

 「お腹が空いたよ。」

とだけ言った。

「暫く、食事は出来ませんよ。」

聞こえてはいたが、俺はまだ薬が効いているためボーっとしていた。

「尿道と傷口が安定するまで、点滴とスープだけだって。」

 「・・・・・・」

結局その日は、そのまま眠ってしまったらしかった。

 

次の日の朝、鈍い痛みと、尿意を催して目が覚めたのだった。

俺は看護婦を呼んだ。

 「トイレをしたいんだ。」

「そのままで結構ですよ、尿道にカテーテルが入っていますからトイレへ行かなくても用は足せますから。」

そう言われた物の、尿意か大きくなるばかりで一向に出てこなかった。

暫く、そんな状態が続いたが体をちょっと動かしたときに、流れ出ていくの感じられた。

その状態が暫く続いた、結構長い時間に感じた。

その後、俺は布団をどけて自分の体を見てみた。

左手には点滴が刺さっており、背中からはチューブが出ていてその先にはモルヒネの容器につながっていた。

そして、股間の部分には包帯がグルグルとミイラのごとく巻かれていて、2本のチューブがつながっていた。

そして、その先はベット横へとつながっていた。

俺は体を少し浮かしてベットの横を見てみると、一方には赤黒い液体が少したまっていて、

もう一方には、黄色い液体がたまっていた。

そして、俺は布団を頭までかぶった。

暫くすると俺は泣いていた。

一応決意して、この状況を選んだ物の今までのことを思い、これからのことを思うと泣けてくるのだった。

 「これで、俺も完全な女の子か・・・」

 「・・・・・・」

 

やがて、回診の時間が来て担当医が来た。

そして看護婦に、「包帯を外してくれたまえ。」と言った。

看護婦は黙って足下から俺の顔を隠すように半分に布団をおって包帯を外していった。

やがて包帯がほどかれると担当医が俺の下半身をのぞき込むようにして点検し、消毒を終えて言った。

「手術は完璧です。一週間ほどすると、傷口も安定します。そうしたらカテーテルを外します。

 食事もその後から出していきます。それまでは、点滴とスープだけです。

 飲み物も、お茶かお水だけにしてください。果汁は一切いけません。」

俺はお腹が空いていたがこの状態が暫く続くのかと思うとものすごく気が重たかった。

そして、看護婦が包帯を替え終わると担当医は出ていった。

そしてお昼になると、ゼリーと具の無いスープが運ばれてきた。

俺は、そんなものでも仕方がないので食べることにした。

 

そう言う状態が一週間続いた次の日、

回診の時間になって担当医が来て診察を終えると言った。

「手術の痕もだいぶ安定してきました、この後カテーテルを抜きます。

 そして、食事も始めます。まずはお粥からですが段々と普通の食事へとなりますから。」

そして暫くしてから看護婦が来た。

「大山さん、カテーテルを抜きますからね。今日からトイレで用を足せますよ。」

そして包帯か外されカテーテルが抜かれたそのとき少し痛みが走った。

その後消毒が終わるとT字帯が着けられた、ふんどしのような物だった。

「トイレは必ず座ってしてくださいね、

 それからオシッコの出る向きが安定しませんけどそのうちにきちんと出来るようになりますから、」

そして看護婦は治療が終わると行ってしまった。

 

続く