作品ギャラリー
ガンダム100号機パイロット
(THE PILOT OF THE GUNDAM UNIT100)
(2014年作/スクラッチビルド)
 
ギャラリー2(撮影プロップ)

普段は実体展示を目的とした作品を製作しておりますが、今回は写真撮影を前提とした撮影プロップとして製作しております。
※クリックサインが出る画像は拡大表示が出来ます。


ちょっとあんまりな見栄えですが、写真左が全体像です。およそ30センチ立方でなかなかデカいです。セットと割り切り、いさぎよく角材むき出し、家電であるデジタルフォトフレームも放熱性を考慮してむき出しです。
写真右は展開した模様。床面と右側壁は固定式、前、左、後、天井が着脱可能で、撮影に応じて取り外しが出来ます。天井は左右の壁が揃った時のみ装着できます。シートとエアコンユニット(角型通風孔とシート後背板のユニット)もパイロット視点撮影のために取り外しできます。
写真のような全方位密閉が可能です
(そうすると何にも見えませんが(笑))。着脱可能の割には意外と隙間なく遮光性もなかなかです。7インチデジタルフォトフレーム(液晶モニター)を3機使用し、前方と左右のモニターを再現。PCで作った映像をSDカードで供給するので、実写からCGまで様々な景色が投影できます。
また、意図してなかったのですが、モニター内の画像を原色などケバケバしくする事で、パイロットへのカラーライティングの機能も持ちました。色々楽しめます。日曜大工的には奇跡的にうまく出来ました。


パイロット写真です。首、手首、足首以外は無可動ですが、ポリキャップ接続で鋼鉄ジーグのように節毎にバラバラに出来ます。関節などの差し替えで立ちポーズ版を見越した仕様です(コンテストに間に合わなかったので、文字通り立ち消えになりましたが(笑))
船外活動用ザックは、サンダーボルトの連邦軍のザックを参考にデザインしました。なんとなくお分かりかとは思いますが、無可動です(汗)。パイロットスーツがタツノコイヒーローっぽいのは、【宇宙世紀では、施錠技術より解錠技術が上回り、丸腰の敵兵にコックピットを開けられMSパイロットが射殺されるケースが頻発。その対策としてパイロットスーツにもボディーアーマーが採用された】という設定…というより単にノーマルスーツをもう少しヒロイックにしたかったという理由です。
塗装はほとんどフィニッシャーズで、白装甲の部分はソリッドのピュアホワイト、ウエットスーツ的な部分はパールコートで若干素材の違いを表現
(わかり辛いですが…)。いずれもグロス処理を施しています。ガントレットとブーツはエンジンブルーです。エンジンブルーはたいへん面白い色なので、無意味に使いたくなります(笑)。
赤のセンターラインはハセガワの局面追従シートのクリアレッドです。隠蔽力の高い不透明レッドもあったのですが、艶のよさでクリアレッドを使用しました。


顔です。メットのひさしが深くバイザーも濃いので、セットするとあまり見えないのですが、一応いっしょうけんめい作りました(教本を見ながら(汗))。作品的に実写寄りにしたかったので、基本の塗装はミリタリーミニチュアの塗り方の本を参考にし、目はハイライトを描かず、エナメルの光沢クリアを流し込み、天然のハイライトが入るようにしました。あと、肌に透明感を出すため、皮膚塗装の最終段階にうす〜いクリアイエローを吹いてあります(これも本の情報)。バイザー越しになるので、皮膚の質感はそれほど関係ないかなとも思いましたが、モニターの液晶バックライト光が映りこむので、意外に効果的でした(ギャラリー1の1、2枚目など)


ちなみにこちらが立ちポーズ形状の形状CG。立ち形状の二の腕と、腰、膝のジャバラパーツだけ作れば差し替えで再現できます。時間があったら作りたいです。



コックピット、それは漢のロマン。そういうわけでガンダムのコックピットを作るにあたり、現用戦闘機のコックピット画像などをネットで色々調べたのですが、現実のものは当然ながら実用第一。質感的には路線バスに近い感じでした。その無骨さが良いと言えば良いのですが、ボクの望むUFOチックな未来感はあまりありません。
そういうわけで、軍事兵器としてのリアリティーは忘れ、純粋に「自分が座ってみたいコックピット像」をRX-78の意匠を残す範囲で追求しました。
全体的にはジャガーFタイプ的に、メッキパーツを随所に奢り、本革も贅沢に使用。ガーニッシュ類はピアノのようにピッカピカ。でも要所要所に剥き出しの金属パーツでスパルタンさも盛り込む。そんなイメージです(実際は全部塗装表現です(笑))


●漢のロマンその1● コンソールパネル
計器の配置はRX-78の位置を踏襲しました。自動車にバイクのエッセンスを持ち込んだコンソールが好きなので、そんな感じにしています。ガンダムの全身図が浮き出ている長方形モニターはタッチパネルで、ここで、コンフィグレーションの入力をします。初陣のアムロが「武器はないのか?」というシーンがありましたが、ビームサーベルの使用をタッチして指示する感じです。
サイドコンソール(操縦桿が生えているピアノブラックの側面板)と2連中型メーターの曲線が連続してパイロットを包み、ドライバーズオリエンテッドを演出しています
(1人乗りだからどんな形でもドライバーズオリエンテッドですが(笑))。メーター内の表示は、宇宙戦闘機にどんな表示が必要かなど見当もつかないので…まぁ適当です(笑)。TVゲームの「戦場の絆」の円グラフメーターなどを参考にしました。


●漢のロマンその2● 両手式操縦桿
RX-78は左右のスロットルだけで機体制御しますが、さすがに操縦桿は欲しいので、コアファイター時の操縦桿を廃した代わりにツインスティックにしました。この部分デザインは、最後の方まで迷走しました。フェラーリのスパルタンかつ豪奢なハンドル風が良いなぁと思ってたのですが、スパルタンにはできても、家具的な優雅さが本当に出しづらい。いっそ無骨方向で、グリップ以外金属色でもいいのですが、根元のメッキリングはどうしても使いたいし、それを引き立たせるにはやっぱり全体的にはピアノブラックのが良い。
そうして出来たのが、この黒電話の受話器のような形です。親指トリガーは、ロータリーダイヤルの頂点に丸ボタンを付けるつもりでしたが、うっかり忘れたまま撮影に突入(笑)。今のままの方が親指とのクリアランスが良いので、そのままにしてあります。あと、タッチパネルで操作するので、室内にはボタン類が少なめですが、やっぱりクリック感のあるボタンは乗り物には欠かせないので、ジョイスティック基部に設けました。赤いボタン、押してみたいでしょう?(笑)


●漢のロマンその3● パイロットシート
船外活動用ザックを背負ったまま搭乗出来ます。シート銀色部分中央の正方形の穴から出る接続フックが、パイロットのザック中央の穴
(事項の写真を参照)を物理固定、さらにパイロットのベルトの腰の箱状の部品を電磁ロックし、シートベルトレスで拘束します(いずれも設定のみ(ハァト))
座面はランボルギーニのコンセプトSUV「ウルス」のシートからヒントを得ています。全体的イメージは歯医者さんの椅子とRX-78-2版のイメージを足して割ったもの。
歯医者さんの椅子って世話になる時は処刑台だけど、物としてはあちこち電動可動して好きです(笑)。


●漢のロマンその4● ゴツゴツした照準器
ものすごく「ビルダーズパーツ感」が溢れてますね(笑)。宇宙世紀が進むにつれ、廃れていった感のある装備ですが、ギミック的には外せません。本当はTVイメージで水平伸縮式にしたかったのですが、妥協して折り曲げ式にしました。TVのようにシャコン!と水平に出し入れしようとすると、シリンダー構造で縮めるにしても、収納時に室内だけでは収まらず、背後の壁を突き抜け、相当後方までシリンダーを伸ばす必要があったのです。しかも、未使用時は本体を90度曲げ、さらに全長が伸びるので、余計後ろから引っ張らないと右視界の邪魔になります。伸縮を差し替えで再現しても良かったのですが、折り曲げ式のほうが撮影時に融通も利きそうなので、こちらを採用しました。


●漢のロマンその5● 通風孔
何だかわからないですが、ルーバー状の通風孔ってロマンがありますよね(笑)。ジェットエンジンの噴射口に似ているからか、それこそ、ガンダムの胸の排気口に似ているからか。縦2連の四角い方は、お気づきの方も多いかと思いますが、太田垣先生のサンダーボルトのコアファイター内のエアダクトを再現しました。流用パーツっぽいですが、意外やフィンとネジ以外は専用設計のレジン製です。 

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