「GM ハリウッド版(?)」メイキング
「短期決戦フルスクラッチ チャレンジ」
後編

前回と今回の間にSHADEによるデータ修正とMODELA制御ソフトによる切削経路の指定、MODELAによる昼夜にわたる切削などの死闘があったのですが、只々しんどいだけの作業の連続なので、ざっくり端折ります(あまりの修羅に途中経過もあんまり撮影してなかったし)。
そのあたりは想像にお任せして、複製の済んだ仮組みの様子と共に造形の意図を紹介いたします。
 

「カッコいい物を作りたい」というのが、もちろん第1のスローガンですが、やはり製作中頭をよぎるのは「如何に共用部品を増やして原型点数を減らすか」でした。なにぶん期限に間に合わせることが優先課題だったからです。

ここでは量産機のGMらしく、「いかに省力化して作ったか」を紹介いたします。

まずは腕。

肩アーマーと手甲部分がスクラッチ、二の腕はMGリゼルから無加工での流用です。
MGリゼルは2回作ったので、勝手知ったるキットでした。二の腕のパーツの「肩は玉、腕は円柱」と言う単純すぎるデザインが逆に個性的で、当初から使用することを決めていました。肩の球体部分は、リゼルの物ではサイズ的に小さかったのでMODELAでの製作品です。

肩アーマーも勿論左右同形。一体パーツです。胸パーツから突き出る腕部固定用の軸を通す穴は、後からピンバイス作業で開口しました。

手甲部分は個性ポイントなので多少時間を割き、複雑な形状にしてみました。
肘の関節メカやポリキャップを内蔵するので、内部構造は多少複雑になっています。
部分的に非常に薄く、シリコン型を取った時、1回でワックス原型が破損してしまいました。ワンオフだからいいけども。(T-T)

拳は全てB-CLUB製品(今回使用品は絶版)です。

脚パーツ。

左右対称形にして、片脚分の原型で済むようにしました。さすがに前後対称には出来ないので、股間からの軸を受ける太股は、左右作り変えねばなりません。

でも、それも出来るだけ省力化したいので、股間とモモのつなぎ目の半球体パーツのみ別パーツ化することにしました。この部分が1体成形でないのは強度的に不安もありましたが、出来上がってみると意外に丈夫で完成後もあまり気を使わずにポーズが取れます。

足首より下はMGストライクルージュからの流用です。

そのままの角張ったデザインだとフルスクラッチ部分の曲面とケンカするので、角を落としています。通常のストライクではなく、ルージュを使用することに意味はありませんが、単に家に嫁が購入した素組みのルージュがあったので、了解を得て有難く使わせて頂いたのが、理由です。(^^;

胴体パーツ。

可動の為の「腰、股間、腰アーマーをつなぐ基部」はMGストライクルージュの内部機構を干渉個所を多少削って使用しました。無駄なく強度に優れた優秀なユニットです。やっぱりバンダイってすごい。
 
胸はさすがに前後別パーツですが、胴は前後同形にして1パーツで腹と背を再現しました。別パーツのコックピットハッチの形状を変えて、前後の変化をつけています。

あと、ザックはMGのいずれかから使えないかとも考えたのですが、この作品で唯一、内燃機関的な表現を出来る部分なので時間を割きました。

ザックのモールド類はほとんどモデラの0.2mmスピンドルに依存しています。

腰の装甲。

GMは腰ミノを素っ気なくすることでガンダムとの差別化を図っているので、前後同形、左右も同形にして違和感のないデザインにしました。

一応裏面にメカモールドも施しました。時間的余裕が無かったので、マスキングを前提に一体パーツで製作。(マスキングあんまり得意じゃないので、塗装時に案の定苦労することに^^; )
 

頭部

ヘルメット前後2パーツ、クリアバイザーとお面。中に半球雌ポリジョイントという基本的なMS頭部です。首はMGリゼルを使用。ヘルメットを前後を接着後も、バイザーとお面は後ハメ可能です。

顔は銀にする予定でしたが、実際塗ってみるとエグくて、サフ状態の色が落ち着くということで、つや消しのグレーを採用。
確か、何かそれなりに塗料を塗った気がするのですが、もしかしたら完成後もサフのままかもしれません(^^;)

装備品

写真上がビームスプレーガンです。
 
当初、左図での灰色の円筒形の部分がお皿状のパーツで、古いSF風のパラボラガンにしようとしたのですが(それが僕の思うところのハリウッドリメイクだったので)、正面に構えたとき顔が隠れるのでこのような構成に変更しました。

クリアシールドの製作模様。1mm厚の塩ビなんで、モモゾウでヒートプレスしています。

 でも、ここまで厚いとバキュームの効能が薄く、なかなかきれいに型に沿いません。丸断面の割り箸でローラーしたり、熱いの我慢して手で押し付けたり、ヒートプレスなんて洒落た名称とは程遠いひどい泥仕合です。
 
変な形に固まっても熱しなおすと、わりとリトライ可能(数回でなんとなく質が悪くなるので交換)なので、上手くいくまで運勝負。最後はタイムアップで妥協テイクを採用しました(涙)。

後ろに見える紺の工具はヒートガン。600度くらいの熱風が出せる…まあ、強力ドライヤです。もちろん髪を乾かしたりしてはいけません(笑)。

 塩ビをコンロであぶってから、型に押し付けるのですが、もたもたしていると、素材が冷えて型に沿いきらないので、それを上から熱しなおし出来ないかと用意。いいアイデアっぽいんですが、結果から言うとあんまり上手くいきませんでした(^^;

塗装

使い慣れたフィニッシャーズの赤と白を使用。
とにかく塗装段階でトラブルが出ないように後ハメ仕様だけは心がけて作ったので、塗装は意外と楽にいきました(ここで楽にいかなかったら期限に間に合わなかった(汗))。

腰みの、モモにある四角いくぼみ面は、墨入れ後、ハセガワの局面追従テープを貼りました。冒険して、金と黒のメッシュ模様を使用。金がいいアクセントになってやって良かったと思います。

普段は黒とダークグレーのカーボン模様(45°の斜め模様なので‐45°の角度で切り出して正方向にします)がルーバー状で使いやすいです。このようなくぼみ表現でフラットブラック単一塗りでは面が広くて退屈なときに使えると思います。

こうして完成したGMさん、第15回オラザク選手権の結果は、1次予選突破。短期決戦としては上出来。なにより、自力でMG一体を製作で来たので充分な成果です。これを踏まえて、次年度の第16回オラザク選手権に挑戦となります。

作品写真 メイキング前編へ戻る TOPへ戻る