能登・佐渡島ツーリング 2

1996.7.19〜7.23

7.20(土)

6:00起床。毎度のパンとドリップコーヒーで朝食。今回も事前に家で二人分のコーヒー豆を挽いて、4泊分アルミホイルに包んでパッキングした。

今回のツーリングは4泊の予定であるが、目的はあくまで佐渡島であり、できれば佐渡島で2泊しゆっくりと回ってみたいのが本音である。そのためには今日も強行軍になるが、一気に佐渡島まで行こうということに決まり、早々に旅立ちの準備をする。7:30輪島の朝市を回る。沿道の両側には早くから簡易テントの店が立ち並んでいる。商売慣れしているのか、露天のおばちゃん達はしきりに観光客に呼び込みの声を掛けている。かなり強引なおばちゃんもいて、少し興ざめしてしまった。ここで上江洲は家族の土産に越前カニと甘エビをパックしてもらい、宅配便で送るという。私は倹約のため何も買わなかった。まだ先は長い、土産はこれからいくらでも買う機会はあるわい。

輪島朝市風景


8:10輪島を出る。とりあえず目指すは和倉温泉。途中穴水町のドライブインで休憩。今日も暑くなりそうだ。国道249号で湾沿いに走り10:40和倉温泉加賀屋前着。加賀屋は和倉随一いや日本でも指折り数えるくらい豪華な和風ホテルだそうな。建物自体は確かに高層のホテルだが、全体の雰囲気は和風を基調にした造りになっている。屋根の形、各階の庇、ファサードのデザインなど低層な日本家屋にありがちな雰囲気を高層ホテルが醸し出している。

ホテルの前には温泉の湯気が立ちこめる温泉公園があって、温泉町の風情を演出している。

ゆっくりとはしていられない。国道160号で富山湾を左に見ながら南下する。11:30氷見市内に入る。昼時なので適当な店を探す。ニフティのバイクフォーラムで、氷見市は魚がおいしいという情報を得ていたので、魚料理の店を探す。市内の目抜き通りをゆっくりしたスピードで目をきょろきょろさせながら走っていると、国道に面した所に食堂ののれんのかかっている店を見つける、名前は小川食堂。

中に入るとおばちゃんが1人で昼の準備をしている。品書きを見ると、なるほど魚を中心とした定食はあるが、値段が高い!その中で最も安い造り定食1,500円也を注文。

名前のわからない刺身と鯛の身入り味噌汁、魚は確かに新鮮でおいしかった。値段がもう少し安かったら申し分ないのだが…。

12:30小川食堂を出発。国道8号を高岡市へ向かう。いよいよ気温は上昇、汗と埃でTシャツが汚れてくるのがわかる。12:45高岡市内通過、もちろん初めて訪れる町であるが割に大きな町だ。ここからは一般道を走ってはとても今日中に佐渡島までたどり着けないので、小杉インターチェンジから北陸自動車道に乗る。高速道でのことは記述するネタはない。ただこの自動車道はやたらトンネルが多い。おかげでTシャツと途中で着た上着が排ガスで真っ黒になってしまった。おそらく鼻の穴も煤で汚れていることだろう。高速道だから景色を眺める余裕もないので、とにかく思い出したくもないルートだ。

13:50有磯海サービスエリアで休憩。15:00上越インターチェンジ着、佐渡島へ渡るフェリー乗り場の直江津へ行くにはここで降りる。高速から降りれると思うとほっとする。佐渡島の小木港行きは16:10発ということで、出発までまだ1時間近くある。待合い室で缶ビールを飲みながらゆっくりする。これくらいフェリーが着く頃には覚めてしまうだろう。

ここから今夜の宿を決めるため、フェリー乗り場内の観光案内所で民宿の予約をしてもらう。土曜日ということもあって、港の近くの民宿はどこも満杯。港から少し走ったところの「つぶろ」という民宿を紹介される。まあテントよりましだから、泊まれたらどこでもいいわ。

乗船時間は1時間30分、カーペット敷きの部屋があって、ブーツを脱いで一眠りする。小一時間も寝ただろうか、甲板へ出てみると左手前方にうっすらと佐渡島の島影が見える。本土はもう見えない。江戸時代以前、佐渡島は遠島を言い渡された罪人の流刑地であった。今でこそフェリーで2時間足らずで渡れるが、当時手漕ぎの船でおそらく1日以上かかったに違いない。一度渡ると何時帰れるか分からない異国の島に流されると思うと、さぞかし心細かったに違いない。生きて帰れる保証など無い、いや生還できることの方が希だったかも知れない。

18:40佐渡小木港着。民宿まではバイクでわずか5分。その前にコンビニで夜の酒のつまみなどを仕入れる。19:00民宿「つぶろ」着。どこかの会社の出張グループか、部屋はほぼ満室である。早速風呂に入り、コインランドリーで下着などを洗濯。浴衣に着替え広間で二人だけの夜宴を開く。ツーリングは基本的にキャンプと決めているが、こうして上げ膳据え膳の宿は本当に体が休まるものだ。長いツーリングでは1泊くらい畳の上で寝ることも必要だ。

民宿の夕餉


部屋に帰ってからまた飲み直す。曇り空で天気が気になるが、雨は大丈夫のようだ。明日の行程を話しながら、床に着く。

今日は昨日より100kmは少ないが、350kmも走った。特にどこかに寄った訳でもなく、ただひたすら佐渡島を目指して高速道をひた走りに走った。今年の夏も強行軍なツーリングになりそうだ。

本日の走行距離   359km