990717 Sat.

午前3時、下船開始の準備のため室内灯が点灯され目が覚める。昨夜は幾分寝酒を控えていたので、目覚めはばっちり。
荷造りはあわてる必要はない、毎度ながらオートバイの下船は一番最後なのだから。4時、いよいよ下船開始。先に降りた車が残した排気ガスで息苦しい船倉で、乗船時に取り外したバッグ類を装着する。
4時15分、フェリーから吐き出されるように下船開始。さぁ、これから道内7泊、安全運転を誓って出発!

旅程はフェリーの中で大まかに決めていて、今日は日本海側を北上し、ライダーに人気のある美深でキャンプとする。早朝の小樽はいつも素通り。
フェリーを下りて国道5号を走るとすぐ右手にマイカル小樽が見えてきた。今春のオープンだったか、サティのショッピングセンター、小樽よしもと、シネコンプレックスなどの複合施設が入った大規模再開発エリアだ。ここは帰りに寄ることにしよう。

銭函で国道337号へ左折し、北進を続ける。去年は初日日高から釧路を目指したが、今年は全く反対方向。しかし空模様はどんよりとした曇り空。ブルゾンを着ての走行など、とても内地では考えられらないが、ここではこれがちょうど快適な防寒になっている。

5時50分、浜益のコンビニで停車。熱い缶コーヒーで冷えた体を温める。気さくなおばさんの店員と会話する。今週前半はこの辺りは蒸し暑いくらいの好天だったそうな。
左手に日本海の海原を見ながらずんずん北上。6時15分、雄冬の展望台へ。国道に「展望台」という看板が出ていたので、思わず寄り道。つい最近できたらしく、きれいな駐車場の備わった展望台である。しかし曇天のため、遙か日本海は霞んで見通しは決して良くない。
きれいなトイレで身を軽くして再出発。増毛旅館

7時25分、増毛駅着。ここはご存じ健さんの「駅・ステーション」の舞台となった町。町外れにはレジャーボートの係留基地があってモダンな雰囲気だが、駅周辺はいかにも寂しい漁港の町である。ニシン漁が盛んな時代は活気があったのだろうが、写真のように閉館となった旅館が解体されることもなく朽ちている姿は何とももの悲しいものだ。








増毛駅増毛駅に入ってみた。この駅はJRの始発、終着駅で、運行ダイヤも少なく、一人老婆が列車の到着を待っていた。














7時45分、JR留萌駅着。夏祭りの時期なのだろう、駅通りには提灯がたくさん飾られていた。朝食に駅売店でニシンそばとおにぎりを食べる。家族が出かける前に自宅に無事の連絡を入れる。
留萌はプロ野球ヤクルトスワローズの若松監督の出身地だったんだ。構内に監督の中学時代からの活躍を報じる写真が展示してあった。さながら留萌の英雄なのだ。

鰊御殿8時25分、留萌を出発。途中給油して、8時55分花田鰊番屋着。ここは鰊漁最盛期に建てられたという鰊番屋、つまり漁師達の待機所であり、当時の資材を使って忠実に再現して、町の史跡に指定されている。
ここの駐車場で、北から下ってくるライダーが合羽を脱いでいる。どうやら北部では雨のようだ。止んでくれることを期待するしかない。
鰊番屋を見学したかったが、9時半の開館を待ちきれずに出発した。

苫前に近づくと右手の丘陵地に大きなプロペラがたくさん並んでいるのが見えた。どうやら風力発電のプロペラのようだ。後で知ったが、トーメンが国の補助金を受けて実施している風力発電装置で、この秋から最大2万キロワットの発電量で稼働するそうだ。無尽蔵の風をエネルギーに変えることは結構なことだが、遠くから見るだけで絵にもなる景色である。

苫前で国道239号へ右折、更に北上し10時30分朱鞠内湖着。ここは北海道最大の人造湖。面積が大きいだけ会って遊覧ボートも就航しているが、天気の悪い今日は客もまばらだ。ここのキャンプ場もファミリーキャンパーには定評があるようだが、もう少し距離を伸ばしたいので、記念撮影だけで早々に発つ。

バス停

すれ違うライダーが合羽を着込んでいるので、これから向かう辺りはやはり雨なのか。美深峠を過ぎ町中へ入る頃に霧のような雨が降ってきた。通り雨になることを期待して、11時40分、国道沿いのバス停で雨宿り
小やみになったところを見計らって出発する。

12時35分、町営美深キャンプ場着。なるほど、ライダーに最も人気のあるキャンプ場もうなずけるだけあって、きれいな芝地である。しかもキャンプサイトにバイクの乗り入れができるというのは、盗難やいたずらを心配するライダーには有り難いことだ。
トイレも水洗できれいだし、すぐ前には休憩所を備えた町営の温泉もある。

テントを設営していると、京都から来たというおじいさんが寄ってきて世間話となる。一人でテントを張り、もう1週間ほどここに滞在しているそうだ。よほど居心地が良いのだろう。奥さんは車が苦手というので、単身旅行だそうだ。秋まで北海道を移動して、冬は同志社のボイラーマンの仕事が待っているとのこと。悠々としたものだ。

町営の保養所で500円の親子丼、そうめん定食を食べ、美深の町へ夕食の買いだしへ。約8キロの道のりを引き返す。スーパーで買い物を終えて店を出ようとすると雨が降り出し、合羽を着て帰る。
帰ってから保養所の温泉へ。300円のきれいな浴場で、これならいくらでも逗留したくなる気も分かる。

手持ちぶさたなので、5時から夕食の準備にとりかかる。さすがにこんな時間から夕食の支度を始める連中はいない。雨が降っているので、炊事棟の中にベンチを引き込んでテーブル代わりにする。
初日のメニューは手羽の水炊き、ホタテの刺身、そして定番のトマト。買いだしの時はいつも欲張って多めに買ってしまうが、食べると大して入らないものだ。白菜など色々余ってしまい、他のキャンパーに聞いても要らないと言うので捨ててしまった。

美深キャンプ場の夕食

自宅に無事を知らせて、8時にはテントに潜って寝てしまった。

本日の走行距離  332.1km

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