1998.7.23Thu.
540起きる。毎度ながら起きるのは早い。天気は曇り。ラジオでは今日は全道雨らしい。もう一日富良野でゆっくりしたいが、去年のように早朝に富良野を出て小樽へ向かうのはやはり気分的に辛いものがある。それに雨が明日も続けば、出発時間を気にしながら雨の中を走るの危険だ。今日は小樽へ移動しよう。

上江州は留萌へ回って日本海沿いを走るという。では小樽で落ち合おうということになり、720それぞれ別々に出発する。

とりあえず吹上から美瑛へ回って、去年印象に残った道道966号の白樺通りをもう一度走る。美瑛では北西の丘をくるっと回って、すぐ国道237号へ入り富良野へ。富良野では昨日ストロボを忘れて撮れなかった「北の国から」資料館の中を撮るべく、受け付けで事情を話すとすんなり入れてくれた。もちろん無料で(*^_^*)

館内ではまた昨日と同じくらいゆっくりと見て回り、写真にもしっかり収めた(露出が合わなくて写りが良くなかったが)。
唯一倉本聰の色紙がまともに読めるくらいだった。

倉本聰のサイン
倉本聰の色紙


さて、JR富良野駅前で給油して小樽へ向かう。残念ながらこの時点でもう今回のツーリングは幕引きも同然。あとはただひたすら走るのみ。このままなんとか空が保ってくれれば、最後のお楽しみで札幌の近くの定山渓温泉ででもキャンプしよう。

国道38号を南下、ここまでは例によって二桁国道で交通量は多い。南富良野から国道237号へ右折。やはり富良野を離れるに従い車はだんだん少なくなってくる。ここから上り坂になるが、坂道を登る時はバイクが俄然元気になる。上りでスピードダウンした車をずんずん追い抜いていく。直線の上り坂でギアをパワーバンドに入れて追い抜いていく壮快感はバイクでないと味わえない。

峠を快調に走っていると、前方の空から暗雲が出始めてきた。う〜ん、まさかあれは雨雲じゃないだろうな。でも対向するバイクは合羽を着ていない。ん、大丈夫だ!
占冠(しむかっぷ)を過ぎ、日高に入るまでまだ天気は保ってくれた。日高で274号へ右折。穂別への峠道に入る。

と・こ・ろ・が、峠の頂上前のトンネルに差し掛かるところで危惧していたとおりが降ってきた。小降りなのですぐ止むだろうとそのまま走る。そのうちトンネルに入り、うまい具合に雨をしのげる。
しかしトンネルを出ると、なんと土砂降りではないか('_;)

急いで止まって合羽を着込む。後ろの荷物には防水のシートを被せ、足元はレインブーツ、グローブはこの時のために持参した作業用のゴム手袋。
準備万端で再出発。しかしこのためにこれまで抜かしてきた車やトラックにまた全部追い抜かれてしまった。

強い雨のためスピードも控えめに70km巡航で走る。このぶんでは今夜はキャンプは無理だ。
穂別の交差点を右折すると、すぐに去年初日に小樽から夕張を通過し昼御飯を食べた穂別のドライブインが目に入った。ちょうど昼時だし、雨中の走行で疲れてきたのでここで昼にする。1130。そういえば去年の昼はここで「ぎょうじゃにんにくラーメン」というのを食べたっけ。ぎょうじゃというここで採れるほうれん草のような山菜をにんにくスープのラーメンに入れたもので、おいしかったので今回もまた注文した。
外は相変わらず雨、とてもやみそうな雰囲気ではない。バイクが何台も通過していくのが窓から見える。あ〜、憂鬱だなぁ。

1145仕方なしに出発の準備をする。水を通さないゴム手袋もどこからか雨が滲み込んできて中はぐしょぐしょである。幸いブーツと合羽の中までは浸透していない。
国道274号をひた走る。雨で視界が悪く、もうツーリングを楽しむ余裕などない。

新夕張から由仁町を過ぎ北広島市に入る。雨が止んでくれて今夜のキャンプに一縷の望みを託して、北広島市のアルペンでガスコンロを買う。北広島市は広島からこちらへ移民してきた人々が開拓した街だそうだが、たいそう大きな街である。

北広島から札幌の豊平区をかすめて南区の端へ回る。真駒内公園を通過して国道230号へ。いや〜、札幌の端とは言ってもやっぱり大きな町だ。
しかし断続的に降る雨で、今夜のキャンプは諦めざるを得ないようだ。

定山渓温泉を通過して道道1号へ。この道も景色の良いワインディングで評判なのだが、今日はさっぱり視界がない。
ただひた走りに走り、1515JR小樽駅前。小樽駅前もそりゃ大都会だ。ゆっくり見物したいところだが、今夜のねぐらを探さなければならない。港の方へ下っていくとビジネスホテルが幾つか眼に入り、そのホテルの前にバイクが並んでいる。彼らも今夜は屋根のある部屋にしたんだな。

煉瓦造りの通りでバイクを止め、ガイドブックに載っていた天狗山ユースホステルに電話する。部屋は空いているという。今は夕食の後のミーティングなんてないそうだ。まっ、あってもこの年で若い子らの集いにのこのこ出て行くわけにはいかないだろう。でもユースに泊まるのは、なんと20年ぶりじゃないか(@_@)最後の夜はゆっくりしたいので、プラス500円を出して個室にしてもらった。

ユースは小樽の山手の方にあるので、元来た道を引き返す。しかしユースの看板が出ていなくて、どこを曲がればいいのか分からず迷ってしまう。バス停で女学生に聞いたのだが要領を得ない。またきょろきょろしながら走っていると、タクシーが後ろからクラクションを鳴らす。やかましいわい!と道を譲ると、なんとドアが開いて「見つかった?」と聞く。一瞬何のことやら分からず、手を振って返す。タクシーはすぐ行き過ぎていったが、すぐにこちらがユースを探していたというのが分かって、確認してくれたんだ。親切な運転手もいることだm(_ _;)m

なんとか探し出して、1620ユースに入る。玄関にバイクが数台止まっていた。可愛い茶髪の女の子が受け付けてくれた。2食付きで5640円の前金
客は他に若い男女で15人くらい。50過ぎの奈良から来たというおばちゃんや九州の中年のおっさんもいた。

風呂に入って夕食を待つ。7時、食堂で夕食。内容はカレイの塩焼き、冷や奴、ハムサラダ、それに総菜一品、確かに貧相だが、これも酒飲みの贅沢か(^_^;
生ビールをお代わりしてあっけない夕食を終わる。

食事の後はすることがなくて、暇な連中はフロントのテレビの前になんとなく集まっている。
車座になってテレビを見ていると、九州から来たという40の兄ちゃんと会話が弾んで、KAWASAKIのZZR1100で北海道を走ってきたという。それはもうバイクを抱いて生まれてきたかと思うくらいバイクのことに詳しい。
最高速でいくら出したか聞いたら、瞬間に280km出したと言う(6_6)  ほんまかいなぁ〜。280kmも出したら、羽を付けたら飛んでいってしまうがな。
その速度では走行車線を走っている車が後ろへ走っているような錯覚を覚えるそうだ。
彼曰くは、「わずか100万円のバイクでBMWやベンツを軽く追い抜けると思ったら安いもんだ」と。でも、気を付け給えよ。
バイクの話について行けなくて2030、少し早いが寝る。外はまだしとしとと雨が降っている。

本日の走行距離 356km


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