北海道ツーリング                 97.7.18-7.26

1997.7.21(Mon)

4:45起床。相変わらず朝は早い。10時間くらいの睡眠をとったので、今朝は身が軽い。日の出日の入りが早い北海道では、早く起きて移動し、早く宿営するのが鉄則である。パンと牛乳で朝食をとり、テントの撤収を始める。ここのキャンプ場はトイレが遠いという欠点を除けば、木々に囲まれた静かで快適なキャンプ場である。

6:45バイクにまたがり恒例の「ラジオ英会話入門」を聞く。わざわざ北海道に来てまで英会話を聞く必要もないと思うのだが、時間が許せば聞いてみようと思う。

7:00本日の目的地開陽台を目指して出発。7:15糠平湖畔で記念撮影。国道273号を途中でショートカットして道道468号に入る。さらに国道274号に合流して、7:50足寄の道の駅で休憩。自宅に無事の連絡を入れる。
ここで、神奈川からキャンピングカーで来たという初老のご夫婦としばしお話しする。定年退職後に子どもに手が掛からなくなったことからキャンピングカーを購入して、すでに北海道は4カ月目に入っているということだ。彼らに言わせると、キャンピングカーではなくて’家が移動する’「オートホーム」と言うそうだ。なるほど、キッチンからトイレ、ベッド、冷蔵庫、シャワー、コンロ、エアコン、テレビなど生活道具一式が備わっている。あと北海道を2カ月回って、信州に下って行くそうだ。さながら自宅にいるような快適さだとは思うが、その前に二人が仲が良いことが大前提だ。私にそれができるだろうか?

話題に興じて1時間も話し込んでしまった。先を急ごう。お互いの安全を祈って8:41道の駅を後にした。足寄のホクレンで給油し、国道241号を阿寒湖へ向かう。足寄は約20年ぶりであるが、町そのものがかなり大きく、賑やかになった印象を受けた。市街地にはいるとやはり暑い。早く通過しよう。このあたりで阿寒湖方面の車が多くなる。阿寒湖までに本来なら初日にキャンプしたかったオンネトー温泉に寄る。

241号から右折すると旅館が見えてきた。硫黄の臭いがする。ここを過ぎるとオンネトーの湖面が見えてきた。透明度が高いため、枯れ落ちた木々が湖底に見える。この湖の先にオンネトーの露天風呂湯の滝がある。9:58湯の滝駐車場着。露天風呂まではそこから1.4kmある。ずっとバイクに乗っていると、降りて歩くというのは本当におっくうなものである。しばらく逡巡していたが、次はいつ行けるかわからないので、やはり行くことに決心した。

湯の滝までの白樺林の小径はなかなか快適である。日が射し込まないのでひんやりとしている。森林浴を楽しみながら20分位でたどり着いた。露天風呂に上がって行くまでに小さな池があり、山女だろうかたくさんの魚がいる。露天風呂には水着を着たおばちゃん3人が先客でいた。風呂にはいるのにが気兼ねをしなければならない道理はない。脱衣所でパンツを脱いでタオルで前を隠しながらずかずかと湯船に入った。
湯の滝
若い奥さんに見られているとは・・

ここで記念撮影を撮るためタイマーを仕掛けたが、スイッチを押して湯船に帰ろうとすると床が苔で滑って危うく転けそうになった。お湯はかなり温めで、苔がはがれて浮いているのでお世辞にもきれいとは言えない。休憩所の前の湧き水が5秒と浸けていられないほど冷たかった。

10分ほど遊んでまた来た道を引き返す。10:55オンネトーを発つ。11:30阿寒湖畔温泉街に着く。ここは学生時代と新婚旅行以来3回目だからうっすらと記憶がよみがえる。温泉街で昼食とする。イクラとウニの丼にラーメンが付いて1,600円。キーホルダーと養殖のマリモをおみやげに買う。天然記念物のマリモを売ってもいいのだろうか?

12:30阿寒湖発。241号阿寒横断道路を快適に走っていると途中で乗用車がパッシング。そんなにスピードは出していないが、さらにスピードダウンするとちょうどねずみ取りの準備をしている最中だった。とりあえずラッキーか。

13:17摩周道の駅で休憩。今が暑さの真っ盛り。水分を補給するが、朝トイレに行ってからまだ尿が出ない。たぶん露出している部分から水分が蒸発しているのだろう。

国道234号から道道885号へ進む。本日2つ目の露天風呂の養老牛からまつの湯へ向かう。14:12からまつの湯着。自衛隊のジープ、乗用車など3、4台止まっている。
先客が8人ほど、全員男という情けない状況である。一人地元の人と思われるおっちゃんが、露天風呂全般についての講釈を口に唾を溜めながら延々と語っていた。最初は面白く聞いていたが、くどいので早々に退却することにした。直ぐ横に川があるので、のぼせてきたら川で冷やすとすっきりする。この季節はアブが多くて、危うく刺されそうになる。ここの源泉は82℃にもなるそうだ。

から松の湯
アブを気にしながら・・


14:35からまつの湯を出る。またしばらくダート道を走ると、急に舗装道路に出る。そこはこれから行く開陽台を思わせる、いやそれよりももっと感動的な広大な平原が眼下に広がっていた。

から松の湯を出たところの直線道路
これぞ北海道・・


ここから道を間違えながらも15:40開陽台キャンプ場に着く。ん?テントサイトは何処だ?同着の若いライダーに聞くと展望台の向こうだという。サイトまで行ってみるといや結構な坂道ではないか。こんなところまで荷物を担いでいくのは大変だなと思案していると、脇にサイトまで連なる道があるではないか。ところがその道は私のような未熟なライダーが走れるようなヤワな表面ではない。幅2メートルくらいのでこぼこ道、轍があってちょっと道筋をはずすと転倒を免れない厳しいルートだ。冷や汗を1トンほど流しながらとりあえずサイトまで荷物を運んだ。

急いでテントを張り、今日一日の汗を流すとともに、大好きなビールを仕入れに中標津まで走る。それでもここから13kmほど走った。中標津は結構大きな町である。帰りに看板が目に付いた開陽温泉に入る。ここは開陽台から直ぐ近くにあるが、道道を入るとしばらくダート道である。えらいところに入ったもんだなと舌打ちしていると、目の前にいやに立派な建物が見えてきた。こんな山奥(失礼)にクアハウスとみまごうばかりの温泉がある。500円は要るが、サウナも露天風呂も薬湯もある。本当にさっぱりした。困るのは、帰りにオフロード車の砂塵でせっかくのきれいな体がほこりにまみれてしまうこと。

18:10買い物と風呂から帰り、今夜のディナーを作る。メニューは鰻の蒲焼き、酢豚、トマト、ミカンの缶詰。途中でテントの近くの若者達7人ばかりと盛り上がる。ここに来る奴はいろんな若者がいる。チャリダーであてもなく放浪しているプータロー、期限無しの北海道ツーリングの風来坊、夏休みの学生など。それをうらやましいとは思うが、この年ではかえって依るべきところのある今の境遇のほうが安心だ。

開陽台の夜
おい!これを見ているならメールくれよな

22:40皆の宴を避けて、ラジオ英会話を聞きながら眠りに落ちる。
                          本日の走行距離 272km