尾道紀行その5 2004.4.29
タイル小路 時をかける少女の原田知世の写真が額に納められている
さらに足を伸ばして、次は御袖天満宮。途中に映画「時をかける少女」で有名になったタイル小路と呼ばれる路地に立ち寄った。映画では原田知世演じる少女が、ここで時空を飛び越えるシーンがある。映画では地面にタイルを埋め込んでいたことから、上映後ここを訪れる観光客がタイルにメッセージを書き込んで地面や壁に埋め込むことが流行したようだ。

タイル小路のある場所は道幅が狭く、普通の民家が密集する生活道路なので、大勢の観光客の喧噪でかなり迷惑だったのだろう、2003年に市の方でほとんどのタイルが撤去されている。私が訪ねた時は、その路地には生活の気配はほとんどなく、道の真ん中に犬の糞であろうか、日差しを浴びて強烈な異臭を放っていた。小路の片隅には、原田知世の写真とメッセージが書き込まれたパネルが寂しく置いてあった。
御袖神社 映画「転校生」で転落する階段
迷路のような路地を過ぎ、御袖天満宮へ着く。ここは大林監督の作品「転校生」の中で、小林聡美と尾見よしのりが階段から転げ落ちて、体はそのままで内面が入れ替わるシーンでつとに有名な場所である。そのシーンを知らない人にとっては、静寂な神社の境内に過ぎない場所ではある。
映画資料館の表 玄関を入ったところ
資料館の内部 文学資料館の壁に掛かっていたポスターで知った尾道映画資料館へ向かう。映画資料館は、国道2号を突っ切った海際にある市役所のちょうど真ん前に位置する。入館料500円也を払い館内へ入る。資料館は2階建てで、1階は主に小津安二郎、2階は進藤兼人を紹介する資料が展示されている。その他、古いキャメラや映画雑誌なども展示しているが、大林宣彦に関する資料は全くない。

小津、大林という尾道ゆかりの二大監督を一所に紹介するのはさすがに荷が重かったのか、それとも何か確執でもあったのか、大林ファンにとってはいささか期待はずれであった。
ただ、1階のミニシアターで小津の「東京物語」の撮影秘話をビデオで上映していて、これはなかなか面白かった。
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