尾道紀行その2 | 2004.4.29 |
お腹もふくれて機嫌も良くなったところで、本日のメインイベントである尾道の古寺及びロケ地散策作戦を開始する。 |
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商店街に古い銭湯を改造して土産物店にしている。館内は観光客でにぎわっていた。 | |
駅のすぐ西側の踏切を上ると、そこからが古寺散策コースの始発点となる。道の曲がり角には、方向を示す案内の石柱がさりげなく置かれているので迷うことはない。 散策コースには、パンフレットを持ったアベックや家族連れがそぞろ歩いている。 |
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尾道の古寺めぐりのコースは、とにかく道路が狭くしかも坂道ばかりである。とても車が通れる道幅ではないので、やたら静かである。しかし火事や急病人が出たら、さぞ困るだろうなと心配にもなる。 道すがら、一人の青年が大汗をかきながらタンスの引き出し類を運び出している姿を見た。なにしろ引っ越しの車が入れないので人力で搬出するしかないのである。少し広い通りまで、その若者一人でせっせと荷物を運び出しているのである。そこからは軽自動車が入って運んでくれるのだろう。 |
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志賀直哉が暗夜行路執筆同時の寓居に寄った。部屋に入ると、暇そうな管理人が「見学料は300円」とのたまう。とても見学に値するような資料など置いていそうにもないが、記念に入ってみようと財布を探していると、「入らないなら撮影してもらっては困る」ときつい口調で言われる。確かにデジカメはぶら下げていたが、こちとら財布を出そうともがいていた訳で、写真を撮るつもりなどない。 銭を投げつけてやろうかとも思ったが、大人げないので300円を渡して中へ入った。管理人、見学料を渡すと急に親切な口調になって、「この入場券は上の文学資料館と共通になっています。ここよりそっちの方が展示品が多いですよ。」と言い訳がましい。なるほど、志賀直哉寓居跡は二間しかなく、炊事場らしきもの以外なんの展示品もないのである。要するに、志賀直哉がこの二間の部屋で、呻吟しながら暗夜行路を書いていたというだけの古い建物だけなのである。確かにここだけで300円だと、文句の一つも出るだろう。 |
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