脚注 8


結合性軌道と反結合性軌道

  結合性軌道と反結合性軌道は,原子軌道を基に,分子の軌道を表現するのに使われる.本来は,その分子を構成するすべての原子核と電子に対して,波動方程式を解くことで,分子の軌道を求めるべきである.ただし,これは不可能である.また,原子軌道をもとにした説明でも,現実を十分説明できる.より,理論に近い方法もあるが,これはさらに勉強しなければならない.化学を専門にしない学生の場合は,こういった事情を知っていれば,十分である.


結合性軌道と反結合性軌道の直交

 s軌道とs*軌道の積の空間積分は0になり,2つの軌道は直交している.


結合の対称性

化学結合を考えるとき,軌道や結合の対称性は重要である. 原子軌道の重なりによって,化学結合を考えるとき,原子軌道の重なり方によって,結合の種類を分類している.

s 軌道とp 軌道の組み合わせでも,軸上の結合であれば,s 結合である.つまり,もとの軌道の分類よりも,結合の対称性の方が重視される.
2原子分子の軌道

 


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Updated, June 20, 2004.