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ここは、関西弁についての簡単な説明をするコーナーですので、標準語の丁寧体でお話しすることにします。

ただ、私は文法の専門家では全くないですので、(特に文法的に)かなり不正確、不十分な記述もあるかと思います。

ですので、文法的に解説している、完全に正しい論文としての読み方ではなく、日常関西弁を使っている者の、一般的な使用法をできるだけ文法的に説明してる(説明しようと努力してる)ちょっとした読み物としてご覧いただくよう、お願いいたします。

なお、私は京都在住の男性ですので、京都弁の男言葉を主体とした関西弁であることをあらかじめお断りいたしておきます(他府県の方には違いがよく解らないかもしれませんが、例えば同じ関西弁とくくられていても、京都弁と大阪弁はかなり違う部分もあります。また、「そうどすなぁ」や「そや、おへんえぇ」等の言葉は、舞妓さんなどの特殊な言葉であって、少なくとも、現在の一般的な京都弁ではありません)。

* こういったことを真面目に論じていると、かえって奇妙に思われ、笑えてしまうこともあるかもしれませんが、それは管理人の狙いです( ̄m ̄)うぷぷ。

第1話 動詞+ない

まず最初は、動詞+ないの形からお話ししたいと思います(通常は否定形になると思いますので、以下、動詞の否定形としてお話しします。勧誘などの場合でも、変化は同じです)。標準語では、動詞の否定形は、動詞の未然形+助動詞「ない」で作られることになっています。

ex)話さ+ない=話さない、食べ+ない=食べない、着+ない=着ない、泳げ+ない=泳げないetc.

しかし、関西弁では、動詞の未然形に、関西弁の否定助動詞とでも言うべき、「へん」をつけます。

ex)話さ+へん=話さへん、食べ+へん=食べへん、着+ない=着いへん(着ーへん)(「い(ー)」は一種の音便、以下「ー」は省略)、泳げ+へん=泳げへんetc.

以上のように、基本的には、助動詞が「ない」から「へん」に変化するだけで、文法的には標準語と異なることはありません。音便が少し厄介かもしれませんが、これは未然形が一文字のときに生じるもので、該当する未然形の母音をそのまま延ばせば大丈夫です(寝えへん、見いへん、似いへん等)。

★応用編

基本的には、関西弁では否定の助動詞として「へん」を使うのですが、動詞の未然形が「い」の音で終わる場合、「ひん」を使うこともできます。例えば、上の例でもあった「着いへん」、「見いへん」などは「着いひん」、「見いひん」とも使いますし、「過ぎへん」なども「過ぎひん」と使えます。

また、動詞の未然形が一文字の場合、音便を「い」ではなく、「や」とする場合もあります。例えば、「着やへん」、「寝やへん」と使います。ただ、この活用は、それほど一般的に使われてる感じではないので、さほど気にする必要はないでしょう。

最後に、動詞の否定形のもっともイレギュラーなものとして、カ変動詞とサ変動詞をあげたいと思います。それぞれご存知とは思いますが、念のため簡単に説明しておきますと、カ変動詞とはカ行変格活用動詞の略で、動詞「来る」のこと。サ変動詞とは、サ行変格活用動詞の略で、動詞「する」および「する」が語尾に付く動詞のことです(口語の場合)。

そして、「来る」、「する」はそれぞれ、次のような否定形があります。

「来ない」・・・「こおへん」、「きいへん」、「きいひん」、「きやへん」、「けえへん」(発音をはっきりさせるために「来」は平仮名にしてます)

「しない」・・・「しいへん」、「しいひん」、「せえへん」、「しやへん」

これは、完全にイレギュラーなので、覚えるしかないですね。ただ、どちらも基本形の「こおへん」、「しいへん」で使えるので、上の基本形だけでもさして問題はないです。

2001/01/20

第2話 敬語表現

今回は、敬語のお話です。関西弁には敬語がないといわれることもありますが、そんなことはありません。確かに私のホームページの関西弁では敬語をあまり使っておりませんが、それは意図的に使っていないだけで、関西弁にも敬語表現は存在します。ただ、他府県の人からすると、敬語とくだけた表現との区別が付かない可能性はありますが・・・。

敬語は、基本的には3種類にわけることができます。「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の3つです。「謙譲語」は関西弁でも基本的に違いはありません。「いただく」、「うかがう」、「拝見する」などは、関西弁でもそのままです。ただ、「おる」だけが若干特殊で、標準語では謙譲語とされている「おる」を「おられる」の形で、尊敬語として扱います(ex○○さんは、ご自宅におられますか?)。文法上は敬語の誤用とされていますが、それは標準語の傲慢というものでしょう。関西弁では正しい用法です。

「丁寧語」については、先の「おられます」のように、標準語と同じく「です」、「ます」を使います。ただ、直後に「な」や「ね」などの終助詞が付くときは、音便が生じて、「そうですね」が「そうでんね」になったり、「延びますねぇ」が「延びまんなぁ」に変わったりすることもあるので、あまり丁寧語らしく聞こえない可能性はあります。また、前回の否定の法則に似ていますが、「ます」の否定「ません」が「まへん」にもなるので、「できません」が「できまへん」、「行けません」が「行けまへん」に変わる場合もあります。これらの変化は個人の好みですが(私は大体標準語と同じ「です」、「ます」を使ってます)、商売をしている人の関西弁で、よく聞くような気がします。また、人名の呼びかけの「さん」を「はん」ということもあります(「田中さん」を「田中はん」など)。

で、最後に「尊敬語」ですが、これについては前回の否定助動詞「へん」と同様に、尊敬助動詞とでも呼ぶべき、「はる」があります。標準語の場合、尊敬語は、動詞の未然形+助動詞「れる(られる)」で作られます。

ex)話さ+れる=話される、見+られる=見られる、食べ+られる=食べられるetc.

これが関西弁になると、

ex)話さ+はる=話さはる、見+はる=見はる、食べ+はる=食べはるetc.

となります。なので、助動詞が「れる(られる)」から「はる」に変わるだけで文法的には、標準語と変わりません。なお、「へん」でも特殊だったカ変動詞とサ変動詞は、「はる」でも、若干違いがあり、標準語だと「来られる(こられる)」となるのが、「こはる」ではなく「きはる」に、「される(正確には「せられる」)」となるのが、「さはる(せはる)」ではなく、「しはる」になります。また、「はる」の否定は、前回の「へん」の規則通り、「はら」+「へん」で、「はらへん」となります(ex話さはらへん、食べはらへん)。

*進行形の表現では、標準語と、かなり異なりますが、長くなるので省略します。簡単に説明すると、形の上では、「過去形+はる」になります(話されている→話したはる、見られている→見たはる、など)。これはおそらく、「〜ていはる(〜ている+はる、ex話していはる)」の「てい」が縮まって「たはる」になるのだと思います。

ここで、例文として、「(獣医さんが、)原さんの飼い猫のハルの腹に湿布を貼るのを見て、原さんがはらはらされている」という、日常でごくありふれた文章を関西弁にすると、

「原はんの飼い猫のハルの腹に湿布を貼らはるのを見はって、原はんがはらはらしたはる」となります。
注 関西弁が日常語でない方は、音読されないことをお奨めします。万一、声に出して舌を負傷されても、一切の保証をいたしかねます。

以上のように、関西弁にも尊敬語はちゃんとありますが、他府県の人にとっては尊敬語に聞こえない場合もあるかもしれませんね。個人的には、尊敬語の「はる」は温かい感じがして、大好きな言葉なのですが・・・。

2001/01/30

第3話 人称代名詞

人称というのは、中学の英語で習う一人称、二人称、三人称の、あの人称のことです。その代名詞ですので、人称代名詞というのは、ようするに、「わたし」、「あなた」、「彼」などのことになります。

まずは一人称ですが、男性の場合は標準語とさほど変わりません。一般的には、「僕」、「おれ」、「わし」、あらたまったときは「私」などです。「わし」は、年輩の人に多いようです。私の場合は、エッセイなどの文を読んでもらえれば分かるように、通常は「僕」を使っています。関西弁といえば、「わい」や、「わて」を使われてるようなイメージが全国的にはあるような気がするのですが(気のせいでしょうか?)、京都ではまず、聞いたことはありません。現巨人の清原選手も、実際には使っていないらしいですが、使っているというイメージがあるみたいですね(「某日記」に対してテレビで文句を言ってましたね)。

ただ、女性の場合は、もちろん「私」も使いますが、「うち」という表現を使う人がかなり多いです。「家」を「うち」ということから来てるのかと思うのですが、女性の関西弁では、一番一般的な表現だと思います。なので、「今の間に、私の家に来ない?」という、男性にはちょっと嬉しい表現は、

「今の内にうちのうちにきぃひん?」となります。

二人称では、もちろん標準語と同じ、「あなた」、「おまえ」、「きみ」、などという表現も使います。ただ、「あなた」については、似た形で音便が入って、「あんた」という表現も使います。もっとも、「あんた」というのは、かなり馴れ馴れしい表現なので、「あなた」と一緒のつもりで使うのはまずいです。そして、それ以上に関西弁特有の表現として、「自分」というのがあります。これは、一人称で使うのではなく(大門氏などは、一人称で使ってましたね)、あくまでも二人称、「あなた」の代わりで使います。あなたにとっての「自分自身」という意味ですね。これは、丁寧な言い方ではないので(失礼な言い方でもないですが)、あまり親しくない人には、使わない方が無難でしょう。

なぜ、他者に対して「自分」なのか他府県(今更ですが、これも関西弁というか、関西特有の言い方ですね)の方には理解できないらしいのですが、その割には、「おのれ」や「われ」(かなり汚い表現ですが)については、不思議に思わないらしいですね。ヤクザ映画などで聞き慣れているからでしょうか?私としては、そちらの方が不思議ですが。なお、関東の方の表現でも、「てめえ」のように、自分に使う表現なのに(元の形は「てまえ」ですね。「てまえ、生国は・・・」や、「てまえどもにお申し付けください」などという表現があります)、相手について使う場合もあります。自分を指す言葉を相手に使う場合は、基本的には失礼な表現になるようですね。その意味からも、「自分」もあまり丁寧な表現ではないのかもしれません。もっとも、先に述べたように、別に失礼な表現でもないのですが・・・。

三人称は、特に異なった表現はないので、省略しますね(「おばちゃん」、「おっちゃん」、「ねえちゃん」、「にいちゃん」など、やたら馴れ馴れしく呼ぶきらいはありますが・・・)。で、後は軽く家族の表現について説明して終わります。父親と母親は、広く知られてるように「おとん」、「おかん」なんですが・・・どうも、これって大阪弁のような気がします。京都では、本人(親)に直接言う場合は、「お父ちゃん」、「お母ちゃん」、友達などとの会話で自分の親を指す場合は「父さん」、「母さん」なのだと思うのですが・・・。これは、ちょっと不明です。私が特殊なのかも?できれば、情報望みます。

他の家族は、後で書いた私の思う京都弁通りの用法でいいと思います(本人に直接言う場合は「お・・・ちゃん」、他者との会話で指すときは「・・・さん」)。ただ、祖父母の場合は他者に言うときも、「じいちゃん」、「ばあちゃん」というかな?少なくとも、私の場合はそうですね。後、家族とは無関係なんですが、なぜかアメ玉を「アメちゃん」と言います。ガムちゃんやチョコちゃんは言わないのに・・・ちょっと謎です。

2001/02/14

第4話 「や」音便

関西人は、標準語はそうでもないんですが、いわゆる関東弁は嫌いです。いや、もちろん断定はできないんですが、嫌いという人は多いですね。まあ、何の理由もないただのワガママなんですが、リズムというか、抑揚というか、どうも気色の悪いところがあります。関東の人が、関西弁は恐く感じるというのと同じ様な感覚なのでしょうか?その代表的な言葉に、じゃん、さー、があります。

じゃん、さー、というのは、いわゆる関東弁の、「いいじゃん」や、「あのさー」などで使われている、じゃん、さー、のことです。これは、おそらく、関西方面で嫌われている関東弁のNo.1,No.2になるのではないでしょうか?

関西弁では、これらは、やん、なー、に変わります。例えば上の表現は、「ええやん」や、「あんなー」に変わります。別に、同じ様な表現があるのだから、そんなに嫌わなくてもいいようなものなんですが、なぜか嫌われていますね。

まあ、今回は別に関東弁の悪口を言うために書いているのではなくて、表題のように「や」の音便について書こうと思っているので、話を本題に戻しますと、「じゃん」が、「やん」に変わるように、関西弁では、「や」に変化する音便が多いのです。特に、助詞や接続詞に使われている「だ」は、「や」に変化することが多いです。

例えば、「だけど」が、「やけど」。「だから」が、「やから」。「だね」が、「やね」。「そうだったんだ」が、「そうやったんや」、など。なお、なぜかは分からないのですが、「なんだ」は、規則通り「なんや」にも変化しますが、もっと不規則な変化、「やねん」にも変化します。「好きやねん(好きなんだ)」が、その代表例ですね。

なので、恒例のごく日常的な例文を作ってみると、例えば、

「あの屋根なんだけど、どうなんだい?」、「あの屋根だね?そうだねぇ・・・」という会話は、

「あの屋根やねんけど、どやねんな?」、「あの屋根やね?そやねぇ・・・」という具合に変化しますし、

「そのやかんは、カラだからね。だけど、火傷の恐れはあるんだから、カラだからといっても、気をつけてね」は、

「そのやかんは、カラやからね。やけど、火傷の恐れはあるんやから、カラやからいうても、気ぃつけてや」と変化します。

また、面白い変化としては、「だよ」があります。規則通りだと「やよ」になるのですが、ヤ行が重なり発音しにくいので、後ろの「よ」がダ行に変化して(つまり、前後の行が入れ替わってしまうのです)、「やで」に変化します。これはかなりイレギュラーなのですが、非常によく使われる表現なので、覚えておくと便利かもしれませんね。また、「や」は、命令形の語尾につけて柔らかい感じ(他府県の方がどう感じるかは分からないのですが・・・)の表現に変えることもあります。例えば、「食べなさい」を「食べや(ぁ)」、「元気を出しなさい」を「元気出しや(ぁ)」などと使います。標準語では、「てね」ぐらいの雰囲気になるのでしょうか(「食べてね」など)?でも、「てね」のニュアンスだと、今ひとつピンとは来ないのですが・・・。

では、今回はこんなところで。

2001/03/10

第5話 ちゃうちゃう

そろそろ、系統だった文法で説明できる関西弁の例がなくなってきたので、この関西弁講座の使命も終わりかもしれませんが、管理人としては実はかなり気に入っているコンテンツなので、後は単発の方言なども取り上げながら、細々と続けていってみたいと思います。

そこで今回は、他府県の方にもかなり有名な表現、「ちゃうちゃう」を取り上げたいと思います。

「ちゃう」とは、「違う」の方言で(前回説明した「や」音便の一種で「ちがう」の「が」が「や」に変化したもの)、それを二度続けることによって違うということを強調した表現が「ちゃうちゃう」です。

みなさんも、中国原産で、ふわふわとした毛が特徴の可愛らしい中型犬、チャウチャウらしき動物を道端で見かけて、その犬がはたしてチャウチャウなのかどうか、友達と議論した経験が、もちろんおありだとは思いますが、そういった、街角でよく見受けられるシチュエーションを関西弁で表してみると、次のようになります。

「なぁ、あれ、チャウチャウちゃうん?」「チャウチャウぅ?チャウチャウちゃうんちゃうかぁ・・・ちゃうちゃう、チャウチャウちゃう」「チャウチャウちゃうかぁ?そーかなぁ、チャウチャウちゃうかなぁ」「そーやて、チャウチャウちゃうて」「そーかぁ、チャウチャウちゃうんかぁ。チャウチャウちゃうんちゃうかなぁ、て思たけどチャウチャウちゃうんやぁ・・・」

<標準語訳>

「ねぇ、あれ、チャウチャウじゃない?」「チャウチャウ?チャウチャウじゃないんじゃないかなぁ・・・違う違う、チャウチャウじゃないよ」「チャウチャウと違うのかなぁ?そうかなぁ、チャウチャウじゃないかなぁ」「そうだよ、チャウチャウじゃないって」「そうかぁ、チャウチャウじゃないのかぁ。チャウチャウじゃないのかなって思ったけど、チャウチャウとは違うんだぁ・・・」

実際に関西弁で発音する場合は、「チャウチャウ」の代わりに、「チワワ」を使っても、なかなか面白いかと思います。興味のある方は、よろしければ、一度お試しください。なお、以前にも書きましたが、万一、音読をして舌を負傷されましても、一切の保証は負いかねますので、ご了承ください。

2001/04/24

第6話 言いそこ間違い

* どうやら、関西弁ではないようなので、参考ということでお願いします。

非常に久しぶりの当講座。一応、管理人は覚えていました。

で、某サイトの掲示板に「言いそこ間違い」という表現のお話が出てきて、少し気になったので、取り上げてみたいと思います。

これは、おそらくは、「言い損ない」と「言い間違い」の混同で、文法的には完全に間違った表現と思われますが、関西ではなぜか良く聞くような気がします。少なくとも、私には違和感がない表現です(自分では使いませんが)。

これはおそらく、「言い損ない」の「ない」を否定の「ない」と勘違いして、否定よりも間違いであるという意味をはっきりとさせるために「間違い」という言葉に間違って変えてしまったためにおこった間違いではないかと推測します(管理人のクセを知ってる方には言うまでもないことかもしれませんが、この説明の仕方はわざとです)。

単語の一部の「ない」を否定の「ない」と勘違いして変化させる例は他にもあって(関西弁の話ではないですが)、「とんでもない」を丁寧に言おうとして、「とんでもございません」というのは、有名な誤用です。「とんでもない」はこれ一つで形容詞なので、「とんでもないことです」というのが正用となります。

もっとも、「とんでもございません」は、今ではあまり違和感なく使われていますが。ひょっとすると、「言いそこ間違い」も違和感なく使われるようなときがくるかもしれませんね。

2001/07/13

第7話 いけず

またまた、久しぶりの更新です。

今回は、実は管理人が一番好きな関西弁、いけず≠ナす。

これは、標準語の「意地悪」という意味なんですが、それよりもニュアンスが柔らかくて、女の娘が甘えた感じで使うと、無敵です・・・多分(イメージタレントは、羽野晶紀)。「いけずぅ〜」と、語尾をのばして上げて、上目遣い、ちょっと唇をとがらすのがポイントです。

逆に、男が甘えて使うと、少なくとも管理人は、殴りたくなってしまうので、男性の方はご注意ください。

言葉の内容自体は、あんまり好ましい関西弁ではないのですが、その、シチュエーションがいいという、ちょっとマニアな関西弁です。

お使いの際は、くれぐれもご注意を。

2001/09/10

第8話 おおきに

これは、関西以外の方にも比較的知られていると思われる関西弁の代表だと思います。

意味は、標準語の「ありがとう」です。おそらく、「大いに(感謝します)」あたりから、派生した言葉かと思います。

これは、別に、男性・女性のどちらが使っても構わないのですが、管理人の感覚では、どちらかというと女言葉のような気がします。ただ、商売をされている方は、男性でもよく使われてますね。

管理人自身は、「ありがとう」や、「あんがと」、「ありがと(あんがと)さん」などといった表現を良く使っています。「あんがと」は、でも、関西弁なんでしょうかね?関西弁っぽい雰囲気はしているんですが・・・。

ちなみに、古文の授業で習うかと思いますが、「ありがとう」は、元々「有り難い(=そうあることが難しい)」、すなわち「滅多にない(ほど素晴らしい)」という言葉から来ています。つまり、感謝するようなことは、昔は滅多になかったようなことだったと思われるわけで、案外、昔の日本の方が人情の薄い殺伐とした世界だったのかもしれませんね(笑)。

なんだか、ネタを考えていくと、全然このコンテンツが更新できないままになってしまいそうなので(笑)、これからは、この程度の説明しかできない関西弁でも、多く取り上げていきたいと思います。

2002/01/20

第9話 ぶぶ漬け

これは、関西弁というより、京都弁になるのかもしれません。意味は、「お茶漬け」です。ちなみに管理人は、この言葉を使わず、お茶漬けと言っています。

さて、このぶぶ漬けですが、実は「京のぶぶ漬け」という、ことわざ?で、意外に他府県にも知られているようです。

「京のぶぶ漬け」とは、京都の人に、「ぶぶ漬けでも一杯どないどすかぁ?(お茶漬けでも一杯、食べていきませんか?)」と言われたら、それは、「いつまでいるのか厚かましい、いい加減に帰ってください」という意味なんだよということを表しているんですが、この内容よりも、むしろ、それから連想される京都人の嫌味さを表すのに使われているようです。

一応、この言葉の意味をもう少し詳しく説明すると、なぜお茶漬けを食べませんかと問いかけるかというと、それは、そろそろお腹の減ってくるご飯時分だということを表していて、そんな時間までいるなんて迷惑である(家人も帰ってくるし、ご飯の用意もしないといけない)ということを暗に言っているわけです。で、もし、その人にもっといて欲しいと思うなら、お茶漬けみたいに質素なものではなくて、もっとちゃんとした料理を作るから、晩ご飯も食べていってください、という主旨のことを丁寧に言うはずなので、お茶漬けなんて言われてる時点で、自分が歓迎されていないことに気付きなさいというわけですね。

とまあ、この様に、率直に帰って欲しいと言わずに、逆に、裏の意味に気付かない人なら、ならお言葉に甘えて・・・などと、そのまま真に受けられて居座られてしまうような言葉で言ってしまうというのが、いかにも裏表のある京都人らしいと。で、不幸なことにお言葉に甘えてしまった人は、後から陰で、ぶぶ漬け云々を言われるまで気付かないどころか、さらにその言葉を真に受けてずっと居座っていた、どうしようもない不調法者だとこきおろされると・・・。

と、一応、説明したんですけど、実際のところ、こんな言葉(ぶぶ漬けでも一杯・・・)をこんなシチュエーションで使ってる人も、使われた人も見たことがありません。おそらく、京都人は、先の戦争といえば「応仁の乱」のことを指す、なんていうのと同様の都市伝説かと思います。

もっとも、京都人と一くくりでくくられるイメージというのを実際に京都人が持っているということは、なかなか否定しにくい事実なのですが・・・(例えば、こうやって、ムキになって否定せずに、逆にあっさりと認めてしまってあしらうところなど、管理人が京都人であることを如実に物語っています)。

2002/02/11

第10話 食べ物あれこれ

ぶぶ漬けの話をしたついでに、食べ物の話を少し、続けてみます。

食べ物は、小さい頃から馴染みのあるものなので、世間一般的にも、実はそれが標準語ではなくて、驚いたという経験が少なくないのではないでしょうか?私も実は関西弁だったと意外に思った食べ物が、多々あります。今回は、そのうちのいくつかを紹介します。

まずは、「にぬき」。にぬきというのは、「ゆで卵」のことです。おそらく、「煮抜き」から、来ているのだと思います。小さい頃から好きで、母によく作ってくれるようにせがんでいました。これが関西弁だと知ったときは、かなりカルチャーショックを受けましたね(笑)。

つぎに、「かやくご飯」。「かやく」というのは、「加薬」のことで、インスタントラーメンなんかに付いている、ようは具材のことです。そういった、具のたっぷりと入ったご飯ということで、標準語でいうと「炊き込みご飯」や「混ぜご飯」になるのでしょうか?

我が家では、シメジ、タケノコ、油揚げ、人参などを細かく刻んだものを醤油味のダシで炊き込んだ、かやくご飯が定番です。ちなみに、「ちらし寿司」のことを「バラ寿司」というんですが、これも関西弁なんでしょうか?インターネットで検索しても、いまひとつはっきりとしなかったんですが・・・。

脱線ついでに、京都では、バラ寿司をホカホカに蒸して食べる蒸し寿司というのが、結構有名です。私は食べたことがないのですが、冬場は熱々で、人気があるみたいですね。

最後に、「なんば」。これは、「トウモロコシ」のことです。特に、焼いたトウモロコシのことを指すことが多いような気がします。焼きたてのなんばに醤油を垂らすと、こうばしい香りがして、口の中で甘みと醤油の辛さが広がって、とても美味しいです。

これはおそらく、「南蛮」から変化したものだと思います。やはり、大阪の「難波」が本場なのでしょうか?

では、今回はこんなところで。

2002/03/02

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