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PFDはプライマリー・フライト・ディスプレーの略で、水平儀や速度計、気圧高度計、昇降計などの基本的な
計器の他に、FMA(フライト・モードメアナウンシメント)や電波高度計、機首方位表示計など多種類の計器が
一画面に表示されるようになっています。この計器の指示を読み取る事が出来れば、今この飛行機はどのような
姿勢でどんなふうに飛んでいるのかを把握する事が可能になります。極めて基本的な計器ですけど、目茶苦茶
重要ですので、しっかり覚えておきましょう。それでは、PFDの解説の始まり始まり……。


FMAは重要なディスプレーだ

(←FLIGHT MODE ANNOUNCIMENT
  について解説しています) 


【速度計】

COMMAND SPEED

MCPのIAS/MACHウインドウにセットした速度が表示される。VNAVがエンゲージされIAS/MACHウインドウがブランクの時にはFMCの算出したコマンド・スピードが表示される。DADC(デジタル・エア・データ・コンピュータ)からの情報が不適切な場合にはSEL SPDフラッグ(計器が故障している事を示す印)が表示される。

MAXIMUM SPEED

最大運用速度(Vmo)、ギア下げ最大速度(ギア・プラカード・スピード)、フラップ下げ最大速度(フラップ・プラカード・スピード)で最も速度が低いものが表示される。情報が不適切な場合にはSPD LIMフラッグが表示される。

MAXIMUM MANEUVERING SPEED


イニシャル・バフェット(速度超過に伴なう機体振動)に対するマニューバー・マージンを表示する。情報が不適切な場合にはSPD LIMフラッグが表示される。

COMMAND SPEED BUG

MCPのIAS/MACHウインドウにセットした速度の位置にバグ(目印)が表示される。VNAVがエンゲージされIAS/MACHウインドウがブランクの時にはFMCの算出したコマンド・スピードの位置にバグが表示される。情報が不適切な時若しくはコンピュータからの情報がない時は表示されない。

CURRENT AIRSPEED

DADCから得られた速度を表示する。情報が不適切な時にはSPDフラッグが表示される。速度がミニマム・マニューバリング・スピードを切ると、速度表示の周りのボックス(枠)がアンバー色に変化する。

MINIMUM MANEUVERING SPEED

ロウ・スピード・バフェット(低速時の機体振動)若しくはスティック・シェーカー・スピード(操縦輪が振動する速度)に対するマニューバリング・マージンを表示する。この速度域に入ると、機体がバンク(傾く)すると失速を引き起こす。情報が不適切な場合はSPD LIMフラッグが表示される。

MINIMUM SPEED

スティック・シェーカー・スピード若しくはロゥ・スピード・バフェット・スピードを表示する。情報が不適切な場合にはSPD LIMフラッグが表示される。

CURRENT MACH

マッハ速度が0.40以上の時にDADCから得られたマッハ速度を表示する。情報が不適切な場合にはMACHフラッグが表示される。

FLAP MANEUVERIING SPEEDS

@現在のフラップ角でのマニューバリング速度、及び次にセットする予定のフラップ角でのマニューバリング速度の位置にマークが表示される。
A20000FT以上では表示されない。


LANDING REFERENCE SPEED

@CDUの APPROACH REF ページでセレクトされたVREF速度の位置にマークが表示される。
ACDUの APPROACH REF ページでセレクトされたVREF速度がスケールの範囲外の時は、スピードテープ(速度表示)の一番下にVREF速度とマークが表示される。
(*実機ではRFと表示されますが、PS1シミュレータではREFと表示されます)

TAKE−OFF REFERENCE SPEEDS

@CDUの TAKE−OFF REF ページでセレクトされたV1速度及びVR速度の位置にマークが表示される。
AV1速度がスケール範囲外の場合は、スピードテープの一番上にV1速度とマークが表示される。
BV1速度とVR速度の差が4ノット以下の時には『VR』の代わりに『R』が表示される。
CCDUの TAKE−OFF REF ページで離陸速度がセレクトされていない時には『NO V SPD』フラッグが表示される。

TREND VECTOR

矢印の先端は、現在の減速率若しくは加速率に基づく10秒後の予想速度を表す。


BANK INDICATOR

@バンク角を表示する。
A目盛りの位置は10度、20度、30度、45度である。

SLIP/SKID INDICATOR

バンク・インディケータの三角シンボルの下に表示され、横滑りがあると左右にずれる。ずれた方のラダーペダルを踏むと、横滑りを修正する事が出来る。

PITCH LIMIT INDICATOR(PLI)

@現在の飛行状態における最大機首上げ角を表示する。この角度まで機首を上げると、やがてスティックシェーカー(操縦輪を振動させることによって失速を知らせるもの)が起きる。
Aフラップを完全に収納すると、PLIは表示されなくなる。

FLIGHT DIRECTOR COMMAND BARS

@FDスイッチをオンにするとロール・コマンド・バー(縦の棒)とピッチ・コマンド・バー(横の棒)が表示される。
Aロール・コマンド・バーは、機体のとるべきロール姿勢を、ピッチ・コマンド・バーは機体のとるべきピッチ姿勢を指示する。
BFDが真中に来るよう操縦すると、フライト・モードに沿って飛行する事が出来る。
CA/Pをエンゲージしていると、AFDSはFDが真中に来るよう機体をコントロールする。

HORIZON LINE AND PITCH SCALE

@水平線を表示する。ピッチ・スケールの0度の目盛りは、水平線の位置で固定される。
Aピッチ・スケールの一目盛りは2.5度である。

WINDSHEAR AND PULL UP WARNINGS

@GPWS音声の「PULL UP」(ポーアップと発音される)に続き、PULL UPと表示される。
Aダウンドラフト(下降気流)若しくは強い追い風を検知するとWINDSHEARと表示される。

AIRPLANE SYMBOL
自機を表す。エアプレーン・シンボルは常に計器中央に固定して表示される。