ヨルダン:ザ・カムバック

Jordan : The Comeback

Released in August 1990
Produced by Thomas Dolby
All songs by Paddy McAloon


「作品の背後に大きなテーマを持って作ろうとしたわけじゃない。このアルバムはいくつかの異なったセクションに分けられるんだ。まず最初にこれといったテーマのない普通のポップソングがあって、それからエルビス・プレスリーについての作品。その後にメドレーにしようとした曲の集まりがある。いろんなタイプの曲があってスタジオではアレンジするのも楽しかったよ。ここでビートルズを引き合いに出すのもなんなんだけど、僕は「アビーロード」のB面が大好きなんだ。そこに書かれている曲は彼ら自身が当時置かれていたある種の平穏さに対する後悔とか成長、欲望と深く関わってて、アルバム全体のテーマになってる。僕達のレコードを聴く人達にもそこをわかってくれなきゃ意味がないってことは僕にははじめからわかってた。だから聴くときにはその心構えだけはしてほしいね。」(NME, August 11, 1990)
1.Looking For Atlantis
「多くの人々は生きることの意味を見つけようとやっきになってるけど、いつの時代だって彼らの追い求めているものは恋に落ちることみたいにすごく単純なものなんだ。」(Pops, August 15, 1990)
2.Wild Horses
「この曲は、17歳のすごくきれいな女の子を見て自分も17で彼女とデートできたらなんて思ってるようなもう若くない男について歌ってるんだ。できるだけスイートなやり方でそれを表現しようとしたよ。くだらないロックやポップスにありがちなぶしつけなセックスソングにならないやり方でね。これこそが僕の考えるセクシーな曲なんだ。」(雑誌名不明)
3.Machine Gun Ibiza
「友人のケーン・ギャングのメンバーの一人とパブで飲んでて、騒がしいテーブル越しに話をしてた時、彼が”マシンガン”と言ったのが聞こえたんだ(これはジミ・ヘンドリックスの曲なんだけど)、それからイビザって言葉も聞こえてきて(ここは僕らが休暇中に行くような地中海の島の名前)、僕は”マシンガン・イビザ?それっていったい何?”って具合だったんだけど、後でこのキャラクターを自分で作り上げていったんだ。そいつはみんなの願いを一身に背負ったすごいクールな奴なんだ。まあこの曲にはそんなにだいそれたメッセージなんかないんだけどね。」(Tracks, September 1990)
4.We Let The Stars Go
「リードで行われるマイケル.ジャクソンのコンサートのチケットを持ってたんだ。その日の朝起きて、神様にお祈りした後、ピアノを叩いてこの曲を書き上げた。”こいつはいい曲だ”なんて思ってたんだけど、結局コンサートには行きそびれてしまった。」(Epic promo flier, 1995)
5.Carnival 2000
「ある朝目覚めて、やりたいことがまったくやれないなんて考えたくもないよね。特にそれが年をとりすぎたからだなんてむなくそが悪くなるほど嫌なことだよ。だから僕は2000年はまだやりたいことができるいい年だったらいいなあって思いを込めてこの曲を書いたんだ。」(Tracks, September 1990)
「最初はピアノ作った2分半ぐらいの小品だったんだ。できた時はあまり好きになれなかった。でも時間が経つにつれて好きになってきたよ。」(Epic promo flier, 1995)
6.Jordan : The Comeback
「このタイトル曲は天上にいるエルビス・プレスリーが、ラスベガスのホテルの最上階にいるハワード・ヒューズのように、下の世界を見下ろしてるというイメージで書いた。」(Melody Maker, August 4, 1990)
7.Jesse James Symphony
8.Jesse James Bolero
「このアルバムのための曲を書き始めた時、バーバラ・ストライザンドあるいはエルビス・プレスリーについての曲を書くのはどうだろうって思いついたんだ。それでエルビスが持ってるイメージについて書いてみることに決めた。彼の"アメリカン・トリロジー"って本を見てわかるとおり、彼は神話的な事柄を明らかにしたがってた。だから僕は曲の中で神話を思わせるようなタッチで彼の存在をアピールしてみたんだ。無法者をよそおいつつ、内面はひどく感傷的だって イメージでね。」(Melody Maker, August 4,1990)
9.Moon Dog
10.All The World Loves Lovers
「誰か好きになったら、縁起でもない陳腐なセリフ(「この恋は永遠だ」なんてこと)は言わないようにしてるんだろうけど、一方ではみんなこういった陳腐なセリフがぜんぶ現実どおりになればなんて思ってるもいるんだ。」( Tracks, September 1990)
「まったくの商業レベルで、面白い曲だからこのアルバムに入れたんだ。この曲を聴いてよりを戻すカップルもいるかもしれないしね。」(Epic promo flier, 1995)
11.All Boys Believe Anything
「トップ・オブ・ザ・ポップスに出てるアバのアグネスを見て、このスェーデンの魅力的な女の子夢中になってる16歳の男の子について歌ってるメドレーなんだ。後に大人になって、彼も自分が夢中になったたものはそんなに洗練されてないものだったってわかるんだけど。」(Tracks, September 1990)
12.The Ice Maiden
13.Paris Smith
「これはウェンディ・スミスのための曲なんだ。彼女にもし君の子供に名前をつけるとしたらどんな名前が一番不似合いかなって聞いたら、ロック・ハドソンの後に、ロック・スミスって言って、それからパリス・スミスって言ったんだ。」(Tracks, September1990)
14.The Wedding March
「作ってからいうのもなんなんだけど、この曲に関してはデモテープの方がよかったって思ってる。レコーディングでは素晴しい装飾をほどこしたけど、デモテープのほうが本来のこの曲の持ち味に近いんだ。」(Tracks, September 1990)
15.One Of The Broken
「”ハーイ、ここに神様がいるよ”っていうイントロには笑っちゃうよね。でも気違いじみてふざけてるようですごく真剣に作ってるんだ。この曲に感動しつつ、パディって奴はちょっと変わってて面白いねって思って欲しいね。」 (NME, August 11, 1990)
「僕がこれまで作ってきた曲の中で、今好きな曲のひとつだ。」(Tracks, September1990)
16.Michael
「"マイケル"ではかなりドラマティックな題材を歌ってる。天国から追放された魔王ルシファーがもう一度戻ってこようとしてるっていうのがこの曲のアイデアなんだ。寒い孤独な場所で彼が考えてることを表現するためにハイテックな方法でこの曲を仕上げた。それに続く"マーシー"は罪を許す寛大さへの深い祈りのような感情を歌ってる。この2曲はつながりがないように見えるかもしれないけど、お互いにアンサーソングになってるんだ。でも歌われてることは、ディック・トレーシーと同じくらいドラマティックでファンタスティックなんだよ。」(NME, August 11, 1990)
「天国を追放された時に悪魔が考えてることにただ興味があったんだ。だって奴はその時現実に身を立てる術をすべて失ったんだぜ。」(Tracks, September 1990)
17.Mercy
18.Scarlet Nights
「デモの段階ではディスコっぽい感じだったんだ。トム(トーマス・ドルビー)はそれを聴いてバラードにしたほうがいいって言い出して、僕らが妥協した結果こうなった。この曲は死を間近に控えてる人について歌ってる。荘厳なバッキングボーカルが曲とぴったりあってると思うんだけど、どうかな。」(Tracks, September 1990)
19.Doo Wop In Harlem

Paddy McAloon : Voice, Guitars, Keyboards
Martin McAloon : Bass Guitar
Wendy Smith : Voice
Neil Conti : Drums
Luis Jardim : Percussion
Judd Lander : Harmonica on "Looking For Atlantis"
Jenny Agutter : Horns on "Carnival 2000"

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