とぜんぐさ(不定期雑記)

a@003  妖しい輝きの「ウランガラス」に一目惚れしてしまった

  わたしごときが口にするのは百年早いとお叱りを受けそうだが、あえて言えば、「世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあるなあ」ということを最近実感した。

  「ウランガラス」なるものである。

  先だって飛騨高山へ遊びに行った際、そこのアンティークを扱った美術館において、その「ウランガラス」の美しい、いや、妖しい輝きに生まれて初めて接したのだった。世の中にこんなに美しいガラスがあるとは。大げさではなくカルチャーショックを受けたのである。

  「ウランガラス」とはガラスに少量のウランを加えた色ガラスで、薄い黄色、もしくは緑色をしている。とはいえ、単なる色ガラスではなくひとめでそれとわかるような独特の色あいなのだ。
  しかし、その最大の特徴は暗所において紫外線を受けることにより、妖しく輝くということにある。「ウランガラス」でできたグラスたちが妖しく輝く様に、わたしはしばし言葉を忘れてしまい、展示ケースの前で見入ってしまったのである。

  「ウランガラス」は十九世紀なかばあたりからヨーロッパあたりで盛んに作られたようだが、今日では作られていないそうだ。ま、ウランを使うのだからそれもそうかもしれない。ただ、それほど歴史のあるものではあるのだが、紫外線により輝くということが知られたのは、ここ30年から40年ぐらいの間なのだという。これはその美術館で教えてもらった。
  おそらくはウランの含有量によるのだろうか、黄色から緑色とその色合いの違いも大変に美しい。
  美術館では、「ウランガラス」でできた少女の置物があって、それがまた非常に美しいのだ。機会があれば是非一度、御覧になっていただきたいものである。
  さらに割れた「ウランガラス」が加工され、市販もされている。お値段はやや高めだが、いつかは手に入れたいと強く感じたのである。

  ネットで「ウランガラス」を検索してみところ、意外に多くのヒットがあり、それらサイトには細かな解説が豊富にあった。やはりこれだけ美しいものは注目度も高いのであろう。

  ところで「ウランガラス」を初めて知ってから、なぜこんなに美しいものを今まで知らなかったのだろうと残念に思ったのだ。やはり知識がないことは「」なことなのである。そう考えるなら、きっとまだまだ多くの「損」をわたしはしているに違いない。
  なるほど、野次馬根性はこれからも大切にしていかなければ。
(H14.11.07 記)





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