おとらの古新聞

昭和28年01月13日「探偵小僧」(連載小説)
  大阪読売新聞です。

  単純におもしろいなと思いました。前後のストーリーが気にかかるところです。
作者は 横溝正史 、作画は 松野一夫 です。

  右上、左上、右下、左下の順で4コマです。

  @ 宝作翁を介抱して椅子にかけさせようとしたときでした。白髪が二、三本、探偵小僧の胸のボタンにひっかかって抜けたのです。それなのに、宝作翁は気がつきません。
  ああ、あの白髪はかつらではあるまいか。

  A いつぞやの吉川家の仮面舞踏会でも、びゃくろう仮面は宝作翁に化けて、まんまと人目をあざむいたのです。ひょっとすると、この宝作翁もにせものではあるまいか。
  山崎さんは、しかし、何にも気がつきません。

  B 宝作翁は椅子にぐったりもたれています。探偵小僧はその髪の毛をひとにぎり、紐でむすんで椅子の背にしばりつけました。
  それから大声をあげて、
  『火事だ!火事だ!』

  C 『なに、火事だ!』
  宝作翁は椅子からぴょこんととびあがりましたが、ああ、なんということだ、そのとたん椅子にしばりつけられたかつらがすっぽり抜けてその下からあらわれたのは真っ黒な頭。

  …かなり無理があるなあ。





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