おとらの古新聞

昭和19年04月28日「六角机(コラム) ダイヤモンド」
朝日新聞からです。

  ダイヤモンドは贅沢品とされてきましたが、ここに至り工業用としてなんとか集めようとの企画が紹介されています。

  「このほど大阪『そごう』百貨店が工場側と協力、檄を飛ばして民間に死蔵されている指輪、帯留め、髪飾りなどのダイヤモンドの総動員に乗り出し全国的に”空征くダイヤ”運動を展開、二十九日から買い受けを開始する。
  「なにしろ高級品は1カラットにつき二千五百円もするのもあり買い上げにより相当高額の代金が浮遊することになるので『代金で国債を…』と積極的な客の一石二鳥の御奉公が待望されている」

  国民から宝石を買い上げる、とは名ばかりでおそらく代金は半強制的に国債になったのではないでしょうか。お国のためにまじめに行動するとエライ目にあったわけです。この時点でも後生大事にダイヤモンドを持っている人が、将来お金持ちになったのでしょうか。

  それにしても『そごう』さん。この企画でよもや儲けちゃってはいませんよね。





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