とぜんぐさ(不定期雑記)

a@016  「キタの大火」こぼれ話

  大阪府吹田に「大阪市立弘済院」があります。前身を「財団法人弘済会」といい、明治42年の「キタの大火」を契機として、明治43年8月に設立されたのでした。
  名称は、明治44年に明治天皇から150万円が下賜された際に『施薬救済以テ済生ノ道ヲ弘メムトス』と語られたことからつけられたそうです。
  戦前は、授産、養老、育児、病院などの事業を行い、戦後も福祉・保健・医療の連携による総合福祉施設として活躍しています。(HPより)

  さて、実は「弘済院」のことは置いておきまして、今日書きたかったのは、「キタの大火」にまつわる汚職の話です。

  大火の直後から大阪市には数多くの救援物資が届けられました。市史から引用しますと『陸軍省から送られた糒(ほしいい)・牛肉缶詰・食塩』『鴻池家(三和銀行、今はUFJ銀行ですね)提供の白米や名古屋市寄贈の漬物など』他多くの物資があったそうです。
  ところがこれら救援物資の管理が怪しかったのでした。時の山下市長が調査に乗り出したところ、倉庫管理者(伊藤晃主任)による物品の横流しが多数行われており、総額984円62銭6厘もの着服があったと記録されています。これが今のお金でどれくらいを意味するのか。明治30(1897)年に金0.75g=1円だったそうですから、ざっと見て1千万円強というところでしょうか(米ベースで考えるともっと高くなるという計算もあるみたいです)。まったくとんでもないやつです。
  結果、山下市長、並びに藤村助役は引責辞任となりました。なんとも気の毒な話です。

  まったく、いつの時代も汚職はなくならないのですねえ。
(H15.11.09 記)

  追記。
  そう言えば今日は総選挙なんだ。困った、葉書がどっか行った。探さなきゃ投票できないよ。う〜ん。





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