とぜんぐさ(不定期雑記)

a@021  ベランダの生首

  年も改まり、2004年になりました。街は正月ムード全開です。昨年はわたし個人もいろいろとイベントがありまして、なかなかに激動でありました。さてさて、今年はどうなりますやら。

  家から駅までの通勤経路は自転車で、だいたい15分くらいなのですが、いつもの道を一本、別の筋に入ると、そのマンションがあります。
  はじめて気が付いたのは、引っ越してきてから2ヶ月くらい経ってからでしたでしょうか。駅からの帰路、暗い夜道を歩いていたわたしは、ふと気まぐれで、その筋に入ったのでした。
  突然1階のベランダに灯りがともり、なんだろうと思ってそちらを見た途端、ギョッと立ちすくんでしまったのでした。ベランダの手すりの上に…

  女の生首がある。

  その瞬間、心底ゾッとしました。誰かが覗いているのとも明らかに違うその首の位置は、あきらかに「首」だけがちょこんと手すりの上に乗っていてわたしを見ているのでした。

  やや間をおいてその正体が、美容院なんかによく置いてある首だけのマネキンであることに気が付いたわたしは安堵の息をもらしましたが、同時に「何故?」と大変不思議に思ったのでした。
  たまたまそこに置かれただけのものではないことは、翌日も翌々日も、その首がベランダから道を眺めていることから明らかでした。
  おそらく防犯上の理由なのでしょう。1階のベランダは大変に物騒です。人が通りかかるとセンサーで灯りが付くようにし、手すりにマネキンを置くことで、あたかも人がいるように見せかける。と、そんなところでしょう。なるほど、効果がありそうです。なんと言っても非常に不気味ですから。泥棒も寄りつきそうにありません。

  しかし、ご近所のみなさんはどう思っていらっしゃるのでしょうか。特に聞きたいのは、向かい側にある家に住んでおられる方のご意見です。毎晩、「女の首」に見つめられる気分はいかがなものなのでしょうか?

  わたしならごめんこうむりたいですね。
(H16.01.01 記)





戻る
前へ
次へ