05.6月 我が家は一輪車一家(パパ偏)その2

一輪車が届いた日から、パパはお昼休みに毎日練習しました。ブロック塀の上を持ってひたすら往復します。一週間くらいは何の変化もありませんが、ひたすら塀を持って行ったり来たり。「これで本当に乗れるようになんのかな」という気持ちになってきますが、それでもただひたすら行ったり来たり。

7日目くらいに、それは突然やってきました。ほんの2メートルですが、落ちないで「乗れた」のです! 生まれて初めて経験する不思議な感覚。まるで空中を浮かんでいるような感じです。もう一度やってみましたが、できません。それでも何度も何度も練習しているうちに、2メートルくらい「乗れる」ようになってきました。でも2メートルです。それ以上は行けません。

さらに練習を続けると徐々に距離が伸びて、10日目くらいには10メートルくらい乗れるようになってきました。もちろん曲がることはできませんし、乗る時は塀に掴まって一輪車にまたがります(一輪車にまたがることをマウントと言います)。でも10メートル乗れたらこれは、「一輪車に乗れる。」と言っていいのではないでしょうか。パパはついに一輪車に乗れるようになったのです!

次の日は、ママやぽんちゃんたちが病院に遊びに来ることになっていました。そこでパパは3人を前にして、おもむろに一輪車を出してきました。そして3人が見ている前で一輪車に乗るところを披露したのです! ママは口をあんぐり! 子供たちは「うわっ。パパすごい!」と大歓声です。ママはこの時すでに、パパが一輪車を始めたことは知っていたのですが、まだ一週間くらいしか経っていないし、塀を持ってよっこらしょとまたがるのを見て、どうせ2,3回ペダルを踏んですぐ落ちるのだろう、くらいに思っていたそうです。それが、十分に「乗れる」と言えるくらい、すすすーっと進んだのでびっくりしたそうです。

その後パパはさらに練習を続け、徐々に距離を伸ばしていきました。最初は何とか病院の建物を一周できるようになりましたが、太ももが痛くてたまらなくなり、一周が限界です。それがだんだんと2周になり、また、曲がることもできるようになっていきました。この頃になると力を抜いて乗ることができるようになり、距離が一気に伸びました。

その後パパが習得した技
1. 空中乗り ・ ・ ・ 塀などに掴まらずにマウントすることです。初めはペダルを動かさないようにしてジャンプするようにして飛び乗るやり方をマスターしたのですが、その後ペダルを踏み込んで後ろに半回転させて乗るやり方もマスターしました。このほうが難しいのですが、慣れると安定して乗れます。
2 .バック ・ ・ ・ 後ろ向きに進みます。前進の時と同じようにひたすら塀に掴まって練習します。後ろが見えない分、前進より難しいです。
3. アイドリング ・ ・ ・ タイヤを前後にこいで一箇所に止まっている事。これも塀に掴まって練習します。比較的すぐにできるようになります。
4. ジャンプ ・ ・ ・ 一輪車に乗ったままぴょんぴょん飛び跳ねます。見た目より簡単です。
5.片足アイドリング ・ ・ ・ アイドリングの状態で片足を離し、片足だけでアイドリングします。乗れない人には神業みたいに映りますが、練習すれば必ずできます。
6. スピン ・ ・ ・ ペダルをこいでフィギュアスケートのようにくるくる回ります。回転にかなりの慣れと練習が必要です。ずっとタイヤをスリップさせている状態なのでタイヤがあっという間に減ります。2週間で新品のタイヤに穴が開きます。

今では、近くの無人販売まで一輪車で野菜を買いに行ったり、一輪車のタイヤを買いに行ったりしています。一輪車で街中を走るだけで目立ちますが、タイヤを肩にかけて走るとひときわ目を引きます。病院の近所の小学校の前を通るので、児童たちに「一輪車のおじさん」として知られています。診察のときに「先生、一輪車に乗ってる?」と聞かれます。

初め、一輪車を始めたときは、「ぽんちゃんに負けたくない」、「何でもできるパパでありたい」と言う気持ちからでした。でも始めてみて乗れるようになってくると、この独特の不思議な感覚のとりこになってしまいました。乗っても乗っても面白く、まさかこんなに楽しいものとは思わなかった、というのが率直な感想です。また、ひとつの技をマスターしてもまた次にマスターしてみたい技が待ち構えていて、飽きることがありません。また腹筋や背筋、足を使うのでダイエットにも最適だと思います。一輪車はパパの一生の趣味になると思います。
一輪車は奥が深く、まだまだ難しい技がどっさりあります。もっと練習してひとつずつマスターしていきたいです。

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