少し前から、パパとママはあることをたくらんでいました。それは、そろそろぽんちゃんに「はじめてのおつかい」をさせることでした。テレビで、3歳とかの小さい子供がおつかいに挑戦しているのを見るたびに、パパたちは早くぽんちゃんにもおつかいに行けるようになって欲しいと思っていました。けれどぽんちゃんに、「ひとりでおつかい行ける?」と聞いても「イヤ。こわい」と言われてしまい、あきらめていたのです。
そこでパパたちはまず、5歳の誕生日に絵本を買ってあげました。本の題名は『はじめてのおつかい』。5歳のみいちゃんが近所のパン屋さんまで牛乳を買いに行く話です。その本を読みはじめて、だいぶ経った頃パパはぽんちゃんに「おつかい行ける?」と聞いてみました。すると「うん、行ける!」と言うではありませんか。パパとママは色めき立ちました。「行く」と言っている今を逃してはならない! 急きょ、「はじめてのおつかい計画」が動き出しました。凌くんにも聞いてみると、凌くんも「行く」と言ってくれたので二人で行ってもらうことにしました。行き先はパパとママが前から話し合って決めていました。近所のケーキ屋「どんぐり」さん。パパやママはここのクッキーが好きで時々買いに来ます。それにそこのうちの子供はぽんちゃんたちと同じくるみ保育園に来ているお友達です。そこでクッキーを一袋買ってきてもらうのです。
そこでそのお菓子屋さんに電話してみました。するとツイてないことに、どんぐりさんはお休みでした。パパたちは悩みました。そこがお休みだとすると、次に考えていたのは近くのいちごの直売所ですが、今はやっていません。あとはオークワですが、オークワまでは、車の通りが激しくしかも歩道もない細い道をずっと歩かなくてはなりません。しかしせっかくぽんちゃんはその気になっているので、思いきって行かせることにしました。ぽんちゃんはもう、道を歩く時、端っこを歩けるし、まっすぐの道なのでそれほど危険ではないと考えて、行かせることにしました。
いつもママと行く時は車ですが、たまに自転車で行くこともあり、ぽんちゃんはもう、道を覚えています。買ってきてもらうのはいつもおうちで飲んでいる「カルシウムの多い牛乳」を1パック。200円玉を2枚と10円玉を1枚、お財布に入れ、携帯のストラップでぽんちゃんの首にかけてあげました。それから、車の人から見つけてもらいやすいように、二人の足に反射板を付けて、出発です。はたしてちゃんとオークワまで行けるのか。買うものを覚えているか。でも二人はパパたちの心配をよそに、ちゃんと道の端っこを元気に歩いていきました。
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