02.11.24 はじめてのおつかい(後編)

 ぽんちゃんたちが元気に出発するとすぐ、パパは家に走って戻りました。カメラを取りに戻るためです。けれどぽんちゃんはけっこう目ざといので、かなり遠くからでないと見つかってしまうでしょう。それでパパはずーっと遠くから見ていたのですが、これでは遠すぎてカメラに収めることが出来ません。そこでパパはいったん家に帰り、車で先回りをして陰から待ち伏せすることにしました。
 ぽんちゃんたちは道ばたの草などを見つけては、しゃがみ込んでいじくり回しながら進むので、なかなか前に進みません。また、道が狭いので車はいちいちぽんちゃんたちの前で止まっては子供たちをよけて通っていきます。先が思いやられるなー、思いながらパパが垣根の陰で待っていると、二人はなにやらしゃべりながら走ってきました。ぽんちゃんは
 「閉まってまう。早よ行かな、閉まってまう。」といいながら二人でどんどん走っていきました。凌くんもぽんちゃんのまねをして、「ちまってまう、ちまってまう」と言っていました。
 最初のペースだと30分以上かかるだろうと思われたのですが、けっこう早く進む場面もあり、結局20分くらいでオークワに着きました。

おつかい1
「早よ行かな、閉まってまう!」
手をつないで元気に走っていきます。

 店内では、子供たちに見つかるといけないので、用心して子供たちを探したのですが、子供たちは以外に早くレジを済ませてしまい、レジでの様子を見ることは出来ませんでした。店内はよく知っているので、速攻で牛乳をGetし、すぐにレジに行ったようです。あとでぽんちゃんに聞いたところによると、レジの人に「お母さんは? 二人で来たん?」と聞かれたそうです。そう言うわけで、パパが見つけたとき、すでにレジを済ませ、店を出て行く時でした。店を出てから二人は元気よくかけだしたので、危なくないか、パパは心配したのですが、ぽんちゃんは凌くんの手を引っぱって、ちゃんと車がないのを見てから道を渡りました。

おつかい6
牛乳を買って元気にダッシュ!

 その後、またパパは、子供たちが来るまで先回りをして見張っていたのですが、このあとある失敗をしてしまいます。車を脇道に止め、待ち伏せしていたのですが、ぽんちゃんたちは興味のあるものを探しながら進むということを忘れていました。ぽんちゃんたちはパパのいる辺りまで来た時、車を見つけてしまったのです。普段から、ぽんちゃんはママと同じ車を見ると、「ママと同じ車!」とか言うので、今回もそれでいけるかと思ったのですが、二人は脇道に入り、車をまじまじと見て「これママの車や! なんでここにあんのかなー。」とか言ってしばらくうろうろしていました。パパは、せめてパパ自身が見つかることだけは避けなければと、必死で体を隠していました。幸い子供たちは、じきに興味が他に移ったようで、また歩き出してくれました。
 またしばらく行ったところで待ち伏せしていると、子供たちは何やら大人には理解できない会話をしながら歩いていきました。

 そんなこんなであまり危ないこともなく、無事に家に近づいてきました。パパは時々ママに電話で連絡していたので、子供たちが家に近くなる頃にはママは家の前に出て、待っていました。子供たちはママの姿を見つけると、大喜びで一斉に駆け出して行きました。パパもそれを見て何だか嬉しくなり、撮るのをやめて後からダッシュで走っていきました。子供たちはほっぺたを赤くして本当に嬉しそうでした。戦利品(牛乳)はぽんちゃんが持ち、凌くんはおつりの3円をビニール袋に入れてもらったらしく、しっかりと手に握っていました。

 よくがっばったね。ぽんちゃん、凌くん。

おつかい2 おつかい3
今度は何を見つけたんでしょう? 手をつないで仲良くてくてく。
おつかい4 おつかい5
ママー! 買ってきたよー! よかったね、ぽんちゃん、凌くん!

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