ぽんちゃんが生まれた頃

page 8

重たい

 2歳くらいになると、少しずつ言葉をしゃべるようになってきます。しかし時には間違えて覚えてしまうこともあります。
 ぽんちゃんはその名の通り、生まれたときからほっぺたぽーん! だったし、お乳を飲んでさらにぽんぽんになり、かなり重くなってきました。そのため抱っこしていてもだんだん下がってきてしまいます。そのたびによっこいしょと弾みをつけて上に抱きなおすのですが、つい、「重たい、重たい。」と言いながら抱き上げます。するとぽんちゃんは、自分が下がってきたことを言っていると思いこみ、「下がってきたので、上に抱きなおしてくれ」、という意味で、「重たい!重たい!」と言っていました。それを聞くたびにパパやママは、(重たいのはこっちや!)と心の中で叫んでいました。

 しばらくすると、「重たい」とは自分の体重が重いことを言っているのだな、ということが分かってきたらしく、「重たい・・・か?」と上手に語尾を上げて質問するようになりました。疑問文のときは「か」を付けて最後を上げる、というのを覚えました。
 それを聞くたびにパパやママは、笑えてきて力が抜け、さらにぽんちゃんはずり下がりました。

「落ちた」

 次に覚えた言葉は「落ちる」でした。ぽんちゃんにぬいぐるみか何かを見せてから、それをぽとんと床に落とすと、ぽんちゃんはおもむろに、「・・・落ちた。」と言いました。面白いのでぽんちゃんにいろいろなものを落として見せて遊びました。

戻る ホーム 次へ