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さらに大きくなると、今度は赤ちゃんの動きが激しくなり、あまり強く蹴るのでママが痛いくらいになってきました(痛くてもママは嬉しそうでしたが)。寝ているときに赤ちゃんが動いて目が覚めることもありました。羊水が少なくなり、赤ちゃんの動きがママによく伝わるようになってきたためです。
そしてこの頃、ママはお医者さんで赤ちゃんが逆子であることを知らされました。ずっと逆子のままでいると赤ちゃんは出られないので手術でおなかを切って赤ちゃんを出さないといけなくなるかもしれません。パパもママもよく知っていたので、何とかしようと考えました。そこでパパはおうちで逆子を治すことにしたのです! お医者さんに逆子を治す方法を聞いて、夜帰ってからパパはママのお腹を押さえたりママをひっくり返したりして、なんと逆子を治してしまいました。次の診察の時、先生は「逆子は治っています。よかったですね。」と言いました。こうして赤ちゃんは手術をしなくても普通に生まれることになったのです。
パパは得意になって、この後、新しい逆子の直し方として本を書こうかな、などと言っていました。
赤ちゃんができてから、ママたちは次から次にたくさん赤ちゃんの本を買っては読んでいました。それで、もうそろそろ動き出す頃だとか、つわりの時期だとか、頭が下がってくる頃だとか言っては大騒ぎしていました。でも赤ちゃんは動き出す時期も頭が下がってくる時期も、入り口が開いてくる時期も全く正常だったので、心配することはありませんでした。
そんなこんなで妊娠39週のある朝、ママはいつもと違う感じがして目が覚めました。布団がぬれているのです。ママは、赤ちゃんを包んでいる袋が破れて水が出る「破水」だとすぐに気がつきました。破水が起こると、もうまもなく赤ちゃんは出てきます。ママはパパを起こしました。でもパパはママをあわてさせてはいけないと思い、わざとのんびりした口調で言いました。「おしっこが出たんとちゃうん?」。しかもパパは気分を変えるため、ママを外に連れだして散歩をさせたのです。その後病院に電話して、ママは入院になりました。パパはまだタカをくくっていたので、しばらくしていったん家に帰りました。でもそれはのんびりしすぎだったのです。
お昼寝から起きて、パパがおもむろにごはんを食べていたとき、病院から電話がかかってきました。ママからの電話で、もうすぐ生まれそうという内容だったのですが、ここでもパパはのんびりごはんを食べ終わってから出かけました。そして病院に着くと、何ともう「おぎゃあ、おぎゃあ」という元気な泣き声が!!。 そう、もう生まれちゃっていたのです。ママはこのとき思っていました。「立ち会い出産はいらないけど、近くにいて欲しかったな〜。」
こうして無事、ぽんちゃんは誕生しました。はじめてパパとママがぽんちゃんを見たとき、面白くて吹き出してしまいました。そしてその後もぽんちゃんを見る度に笑ってしまうのです。そう、ぽんちゃんは生まれつき、面白かったのです。
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はじめてのご対面 | すでにほっぺたが垂れている |
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