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結婚した頃、パパ達は実家から少し離れたところに二人で住んでいました。二人とも病院が近かったので都合が良かったからです。二人とも食べ物の好みや服の趣味や音楽の趣味がよく合っていたので、仲良く暮らしていました。一緒になじみのバイク屋さんへ、新しいバイクを見に行ったり、パソコンで音楽を作ったりしていました。おじいちゃん、アーちゃんの所へもよく行ってごはんを食べたりしていました。そんな二人にも悩みがありました。それは、子供ができないことでした。二人ともとても子供が好きだったので、自分たちの子供ができるのをそれは楽しみにしていたのですが、結婚して2年たってもできないのです。
そこで二人は意を決して病院で診てもらうことにしました。電話帳で調べて、新しくできた不妊専門の病院に行ったのです。いろんな検査の結果、ママは子供ができにくい病気であることが分かりました。二人は悲しみましたが、でもお医者さんの言うことをよく守り、きちんとお薬も飲んで、赤ちゃんができるのを待ちました。すると何ヶ月かして検査の結果が正常になってきたのです。お医者さんの言うには、この後今度は腹腔鏡という治療をする必要があるといわれました。しかしその数ヶ月後、腹腔鏡をすることなく、突然ママは妊娠したのです。お医者さんは、こんな事は非常にめずらしい。20人に1人くらいだ、と言っていました。二人はどんなに喜んだことでしょう。
それから二人は毎日、ママのお腹をさすっては赤ちゃんに話しかけました。まだ赤ちゃんは消しゴムくらいの大きさしかないのに。
少したつと、おなかがぽこっと出て、赤ちゃんを触れるようになってきました。パパたちは病院の超音波診断装置を使って、こっちが頭だとか、足だとか言って大騒ぎです。ママは超音波の印刷した紙を見てにこにこしています。また少したつと、今度は赤ちゃんの動きが分かるようになってきました。ママは赤ちゃんが動く度に笑ってしまいます。くすぐったいのでしょうか?。
ママはほとんどつわりになりませんでした。妊娠が分かるちょっと前に、一回だけ「何か気持ち悪い」と言っただけでした。食事は脂っこいものはあまり食べなくなりましたが、それ以外はほとんど以前と変わらず食べていました。妊娠期間を通じて、食事の量も増えることも減ることもありませんでした。ただ、「トマトがおいしい!」と言ってトマトを喜んで食べていました。
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