No7
 
 <第22回京都賞〜記念ワークショップ>
 思想・芸術部門 受賞者 三宅一生氏
  
  〜デザイン、テクノロジー、そして伝統〜


<講演要旨

イギリスの詩人、ラドヤード・キプリングは「東は東、
西は西、両者が出会うことは決してない」と書きました。
日本人としての私が服作りを始めて以来、基本にあるのは「一枚の布」という考え方です。

人が身にまとうものは一枚の布から始まる、衣服においては東洋、西洋の枠を越え、それが世界の共通語になる、と考えたのです。

そこに、新しい技術や素材を取り入れ、さらに人間の手の仕事、知恵を組み合わせることで、はじめて人々に愛される服づくりができます。

テクノロジーと創造力から、新しいプロセスが生まれ、より前進することができるのです。





私達が持っている数々の素晴らしい伝統の技は、
ここまで、と留めてしまうのではなく、現代の生活に合うように変えていくことで、本来の力を発揮し、生き生きとしたものであり続けます。

私達の作る衣服が、日常の中に溶け込んでいく。それが、次の時代の伝統づくりにもつながってほしいと努力しています。

ワークショップ・第一部では、私の約40年間の仕事の中からいくつかを、写真や映像を交えながらお話し、ものづくりのおもしろさや可能性デザインの役割、伝統の意味、などについてお話したいと思います。
                     以上


♪このような趣旨でのお話は、音楽する私達にも
通じるものを感じます。東洋の美意識や文化を生かし、西洋のものを取り入れ、新しい時代に受け入れられる創造性を育みたいですね。

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