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<JAZZが好きになる大特集>〜5
パット・メセニー&オーネット・コールマン
「SONG X : TWENTIETH ANNIVERSARY」
悩みを吹き飛ばす、壮大なスケールに呑み込まれたいとき
広大な景色が浮かんでくるようなスケールの大きなサウンドと、美しいメロディで、ジャズ・ファンのみならず、幅広い音楽ファンから絶大な支持を集めている、現在世界最高のギタリストのひとり、パット・メセニー。
だが彼はその一方で、とてもアグレッシブな一面も持ち合わせている。そんな彼が85年に、敬愛してやまないフリー・ジャズの巨匠、オーネット・コールマンと共演した衝撃作。雄叫びを上げるオーネットのアルト・サックスと、何かに憑かれたように弾きまくるパットのギターのぶつかり合いは、たとえようもなく強烈なエネルギーに満ちている。
じっくりと聴きこむには、ちょっと体力が必要かもしれない。
ちなみにこの“20thアニバーサリー”バージョンは、レコーディングから20周年を記念して、当時未発表だった6曲を追加収録したもので、その歴史的セッションの全貌を知ることができる。
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ブラッド・メルドー&ルネ・フレミング 「LOVE SUBLIME」
自分の内面を探求したいときに
1990年代半ば、彗星のようにジャズ・ピアノ界に現れたブラッド・メルドー。
彼は両手でそれぞれ違う旋律を奏でるという、クラシックでいう対位法的なアプローチで、長らくスター不在だったジャズ・ピアノ界に新風を吹き込んだ。
速いパッセージや難解なインプロヴィゼーション(即興)で見せる高度なテクニックとともに、しっとりと歌う叙情的な表現は、デビュー以来多くのジャズファンから注目を集め続けている。
『アート・オブ・ザ・トリオ』に始まる自身のピアノ・トリオによるシリーズが彼の代表作だが、今作は世界的なソプラノ歌手であるルネ・フレミングとのコラボという意欲作。
リルケやルイーズ・ボーガンの詩を題材とした歌に絡み合うピアノは、聴く者を不思議な世界に引きずり込んでしまいそうだ
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