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「オーケストラ サウンドを創る」
〜「フィガロの結婚」序曲
美しく魅力的な音楽は<メロディーと伴奏>のバランスが絶妙であり、それらが醸し出すハーモニーに、人は刺激され感情を揺さぶられます。
オーケストラのスコアからサウンドを知ることで
より具体的な音楽の基本を知ることが出来ます。
良い音は<心地よく、自然>であること。
そして<イマジネーション豊か>になれること。
そんな音創りを!
さて今年のモーツアルト・イヤーに因み、3大オペラから「フィガロの結婚」序曲をオリベラ・サウンドでご紹介しましょう。
軽快なテンポ(Presto),2/2拍子、ニ長調と管、弦それぞれの楽器が生かされたオーケストレーション、実に
モーツアルトらしい魅力あふれる音楽を分析・・・。
まず、提示部 第一主題(1〜59)は弦楽器とバスーンのユニゾンがppではじまる。
これをアトリエでは下鍵盤にコントラバスを2オクターブ低く設定して、ストリングス、バスーンに加える。
それぞれ高さの異なるパートになり、左手、単音で演奏するが、音域のあるユニゾンが生まれる。
その後、下鍵盤ホルン、オーボエに変わり、クラリネット、フルートが掛け合うメロディーがPで。 |
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12小節ffでtutti を上鍵盤にストリングス+ヴィオラ+ウッドウインドをオクターブシフトで音域-1、-2で実音を作る。L.Mはイニシャルタッチでブラスと弦、管がf/pのフレーズを支え、バスにはティンパニーをプラス。
これまですでにオケの迫力!
この後ヴィオラとチェロ+コントラバスのフレーズは
U.MとL.Mを使い分けて表現。ここで第一テーマ終り
第二主題(59〜107)転調〜イ長調はL.Mにストリングス+ヴィオラ、U.MにOb,Flがそれぞれ3度の美しいハモり、ここでのワザはハーモニー、インテリジェンスのDuet使用!ポイントは左手和音、主音をしっかり。(コードが響きを創る)
この箇所f,pのexp.表現も大切!
そして弦の柔らかなメロディー(p)と管の和音による(f)強い応答が続き、クライマックスffの弦楽器低音
がメロディーを受け(ここはオルガンならではの足技見せ場!)ヴァイオリンへとつなぎ、バスーンの下降メロディーで(軽やかに吹いて!)穏やかに終結部(108〜123)へ。
バイオリン、バスーンのこの箇所は、シンプルなモーツアルトらしいメロディー(大好きなところ)。すぐに
同じメロディーをフルートがプラス。この辺の味わい
はホントにおいしい!(^。^)
経過部(123〜138)へ
バイオリンの上昇するフレーズが新たな山を作り、
L.Mはホルン、ウッドウインド、ストリングスでfpの
コントラストでA音中心にコードを変化させ、A7(f)
のクライマックスへ
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急なPによる第一バイオリンと第二バイオリンの3度
トリルから下降のメロディーで再現部 ニ長調
(139〜236)へ。
次につづく
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